グローカルネット Monthly Topics

Glocalnetウェブサイト

2011年07月14日

クロモ・アキーテクチャー(色建築)に注目!

街を歩いていて、ふと鮮やかな色使いの建物に目が行くことはありませんか?カラートレンドに定評のあるカルランが近年重要視しているテーマのひとつは、「建築における色使い」。数シーズン前から注目していたテーマで、カルランはこのトレンドをクロモ・アーキテクチャー(“Chromo-Architecture”)=色建築と名づけて展開しています。現在も発展し続けており、今年初旬に発表したAW12-13でも取り上げられました。
*クロモ(Chromo)= 「色のついた」や「色素」の意

今回のマンスリーニュースでは、このクロモ・アーキテクチャー(色建築)に注目してみようと思います。

建築家は色を素材のひとつと考えています。また、色は都市環境と生活の質を把握するには欠かせない要素です。カラフルな色使いは、新しい“わかりやすさ”やリズム感、視点を与え、さりげなく私たちの暮らしを豊かにしてくれます。

まるでギャラリー!これが信用金庫?!
金融機関といえば、建物や内装も機能的でお堅いイメージがありますが、“ホスピタリティバンク”を目標に掲げる巣鴨信用金庫では、これまでにない内装・ 外観デザインを採用し、話題となっています。今年3月にフランス人建築家・デザイナーのエマニュエル・ムホー氏とのコラボレーションで新築オープンした巣鴨信用金庫志村支店のコンセプトは、“虹のミルフィーユ”。 日中はイエロー、オレンジ、ピンク、グリーン、ブルーなど、建物からせり出した12色のアルミの層が白い面に反射し、虹のようにカラフルで優しい外観を演出。夜はLEDでライトアップされ、日中とはまた違った幻想的な雰囲気になります。

巣鴨外観.jpg

内装も非常にカラフルで、まるでおしゃれなカフェかギャラリーのよう!高い天井や壁には、タンポポの綿毛をモチーフにしたグラフィックが広がっており、非常にやさしい印象です。ヨーロッパには、昔から願いごとをする時、タンポポの綿毛をそっとひと吹きする習慣があるそうで、「お客様の夢が叶ってほしい」という願いも込められているとのこと。顧客がリラックスでき、長く居たくなる空間づくりを目指した、というのも納得の内装です。

巣鴨 オープンスペース.jpg

巣鴨 夜.jpg

チームを象徴するサッカースタジアム
サッカーをはじめ、スポーツにおいてチームの象徴ともいえるのがチームカラー。特にヨーロッパには、チームカラーをあしらい、デザイン的にも優れたサッカースタジアムがたくさんあります。中でも、今回ご紹介したいのが、ポルトガルの名門チーム、スポルティング・リスボンのホームスタジアム「エステディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ」。ちなみに、スポルティング・リスボンのユースアカデミーは、元ポルトガル代表ルイス・フィーゴや、あのクリスティアーノ・ロナウドを輩出しているという超名門です!
スポルティング・リスボンのチームカラーは緑が基調。その緑を中心に鮮やかなモザイクで彩られたスタジアムは、数あるヨーロッパのサッカースタジアムの中でもトップクラスの華やかさです。

スポルティング外観.jpg

スポルティングエントランス.jpg

内部も同様にカラフルで、個々のシートに違なる色を配し、外観同様にモザイクに見立てているのもユニークです。チームカラーとポルトガルの伝統芸術モザイクを取り入れたユニークなデザインは、まさにチームのシンボル。このスタジアムでプレーすれば選手の士気も上がり、サポーターたちの応援にも一層熱が入ること間違いありません。
また「エステディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ」は、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)の厳しい基準をクリアしたUEFA5つ星スタジアムにも認定されており、設備面でも世界トップクラスであることが保証されています。見た目の華やかさだけに留まらない、実に理想的な建築物といえるのではないでしょうか。

スポルティング内装.jpg

もしわたしが建物だったら・・・
カルランのインパルストレンドブックAW12-13の中でご紹介した、イギリスのデザインスタジオSTUDIO WAVEによる“イギリス一長いベンチ”。海岸沿いに並べられたベンチは、その美しい曲線と波打つ構造がインスタレーションの楽しいムードを引き立て、カラフルな色合いがリズムを与え、散歩をより楽しいものにしてくれます。この“イギリス一長いベンチ”は、昨年11月、世界的な建築雑誌「The Architectural Review」のEmerging Architecture Awards(新進建築賞)を受賞しました。

longest bench.jpg longest bench 2.jpg

このSTUDIO WAVEの、子供たちを対象としたユニークな企画をご紹介します。その名も“Building Opera (ビルディング・オペラ)”。建物と風景を擬人化し、子供たちに都市と建物の重要な関係性を発見してもらうため、建物のパペットとコスチュームを作り、“ビルディング・オペラ”の公演を行いました。古い童謡に新しく歌詞をつけたもので、2つの町が出会い、親友になるという物語です。

まず子供たちは、「もしわたしが建物だったら、どんな建物になるだろう・・・?」という課題のもと、各々が自由に自分自身を建物に見立てたコスチュームを“建てて”いきます。子供たちが“建てた”のは、お姫様の宮殿、カントリーハウス、豪華なホテル、小塔のある石造りのお城、ルーフガーデンつきのツインタワーなど、実に多彩でクリエイティブなものばかりです!

opera 1.jpg

opera 2.jpg

その後、子供たちはできあがったコスチュームに身を包み、それぞれの建物になりきってオペラを発表しました。子供たちが自ら建物について考え、楽しみながら学ぶことができる、大変ユニークなプログラムです。この中から未来のクロモ・アーキテクチャーを担う建築家やデザイナーが立派に育っていくことでしょう!
http://www.studioweave.com/projects/building-opera-ica/

opera 3.jpg

建築物に色が加わるだけで、そこに個性が生まれ、私たちを明るい気分にさせてくれます。色によってイメージを一新させた信用金庫、さらにチームのパワーを発展させていったサッカースタジアムなどを紹介してきましたが、クロモ・アーキテクチャーは、そんな色の持つ不思議なパワーを再認識させてくれます。しかし、ただカラフルであればそれでよいということではありません。単なる“インパクトだけではなく、“心地よさ”が大前提となるのです。そこで過ごす人々がより心地良いと感じる空間にするために色を用いる、それが本当のクロモ・アーキテクチャーです。
カルランでは、今後もクロモ・アーキテクチャーに注目しながら、新たなトレンドを発信してまいります。
posted by グローカルネット at 11:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月27日

カルランによるパリのスノッブアドレス

カルランによるパリ案内
2011年という新年を迎えまして、既にもう一ヶ月が過ぎようとしておりますが、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。ということで、今年最初のマンスリーニュースでは、年が明けてからパリより届きました「カルランのおすすめパリのアドレス」をいくつかご紹介致します。今年、見本市やコレクションなどでパリにお出掛けになる際に、ぜひご参考にして頂ければと思います。

CAFÉ ARTCURIAL
まず、シャンゼリゼにあるカフェ、CAFÉ ARTCURIALでフランスのシックな“趣味の良さ”を堪能しましょう。デコレーターデュオ、Gilles & Boissier(ジル&ボワシエ−パトリック・ジルとドロテ・ボワシエ)が内装を手掛けました。壁に描かれたファンタジックな森の風景、黒大理石のテーブル・・・とまるで冬の庭にいるような気分になります。パリでの一日の始まりに、こんなセンスのいい空間で朝食を取ってみるのはいかがでしょうか・・・。
7 rond-point des Champs-Elysees 75008 Paris
CAFÉ ARTCURIAL

CAFE-ARTCURIAL.jpg

CAFE.jpg

MINI PALAIS
グラン・パレ(Grand Palais)は、1900年パリ万博万国博覧会のために建てられたもので、現在は展覧会場としてファッションショーやさまざまな展示会が行われているほか、常設の美術館や博物館としても使用されています。その一角にあるレストラン、MINI PALAISはとてもシックでおいしくてリーズナブルと評判です。
豪華な列柱の配されたテラスも、モダンで明るい内部も素敵ですし、シャンゼリゼ大通りから少し入った立地で、セーヌ河にかかるアレクサンドル三世橋を見下ろす素晴らしい眺望も楽しめます。こちらのレストランも、先のGilles & Boissierが内装を手掛けています。“アーティストのアトリエ”をイメージしたクリエイティブなインテリア。エレガントな黒大理石のディテールがほどこされた寄木細工のフロアやウォールファブリック、巧妙に配置された大きな鏡が解放的な空間を演出、無限の感覚を醸し出します。そして、グラン・パレのトレンドマークでもあるグレーグリーンに着色されたメタル構造がむき出しの天井。味覚的にも視覚的にも、存分に楽しみつつ、パリの洗練された空気を感じましょう。ランチやディナーにぜひどうぞ。
Grand Palais Avenue Winston Churchill 75008 Paris 
MINI PALAIS

Petit-Palais-2.jpg

Petit-Palais-1.jpg

GRAND PALAIS
常に興味深い展覧会を催しているグラン・パレ。つい最近までも、日本でも人気の高い印象派の画家、Claude Monet(クロード・モネ)の回顧展や、2009年に125周年のアニバーサリーを迎えたイタリアの老舗ジュエリーブランドBulgari(ブルガリ)の展覧会“Bulgari 125 years of Italian Magnificence”が開催されました。

150_964_vignette_Monet.jpg150_963_vignette_661866-125ans-GP-400x600.jpg

2011年もさまざまな展覧会が予定されているようですが、自動車の展覧会“110 years of automobiles”(2011年2月4−6日開催予定)や、HERMESの“Saut Hermes at the Grand Palais”(馬術のスペクタクルショー、2011年4月15−17日開催予定)などのおもしろそうなイベントもあります。グラン・パレでは1901年に初の自動車見本市が開催されてから、1961年までの長きに渡って続いたそうです。また、建物自体は当初厩として設計されたということですので、自動車と馬とは切っても切れない縁があるのでしょう。
GRAND PALAIS
Claude Monet回顧展
Saut Hermes at the Grand Palais

150_1034_vignette_Grand-palais-Poster-Lowres.jpg

18_vignette_Facade_Grand_pa.jpg

KUNITORAYA2
国虎屋では、パリで本場四国の讃岐うどんをいただくことができます。連日のフランス料理で日本の味が恋しくなってしまったら、おいしいおうどんはいかがでしょう。かつてはブルゴーニュ料理のブラッスリーだった店を改装し、ニューヨークの雰囲気が漂ううどん屋さんに生まれ変わりました。日本びいきのフランス人俳優やデザイナーも訪れているようですし、一味違ったパリを楽しめるかもしれません。
5, rue Villedo 75001 Paris

kunitoraya2.jpg

さて、気分はすっかりパリの空の下へ飛んで行ってしまいましたが、そのパリからはAW12-13シーズンのCarlinトレンドブックが続々到着し始めました。新しいシーズンのブックも、最新のトレンドやクリエイティブな情報、鋭い洞察力で分析された社会背景など、興味深い内容で満載となっております。2011年もCarlinのクリエイティビティが皆様のインスピレーションの源となりますよう、心より願っております。

それでは、パリにいらっしゃる皆さま、Bon voyage et Bon Sejour a Paris!

MailCouleurH1213.jpg
posted by グローカルネット at 16:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月20日

サンテチエンヌ国際デザインビエンナーレ2010

1998年に創設されて以来、今年で第7回目を迎えた「サンテチエンヌ国際デザインビエンナーレ」が11月後半から12月初旬にかけて開催されました。サンテチエンヌはフランス中東部の工業都市。壮麗な大聖堂やサッカーチーム(一時、日本の松井大輔選手が在籍したことも)でも有名な街です。ここで2年に一度開かれるデザインの祭典の最新情報がパリより届きました。現在、及び未来のプロダクト、イメージそしてサービスといった、毎日の生活におけるコンテンポラリーなクリエーションの姿が一堂に会する興味深い内容となっています。
270px-Saint-etienne.jpg
サンテチエンヌの街は、19世紀初頭の産業革命の時代にファブリックや武器を生産していたことで有名となりました。こうした歴史的経緯から、産業デザインの伝統をふまえ1998年の国際デザインビエンナーレ創設に至りました。

今回のビエンナーレのメインテーマは「テレポーテーション(瞬間移動)」。思い切った表現の中で、わたしたちの時代の概念を明らかにするような目に見えない動き−テレポーテーションの可能性につながる、発見へのプロセスを探求しようとする試み。また、このデザインビエンナーレは、開催される展覧会内容が多岐に渡るだけでなく、実にさまざまな人々が訪れるという観点でも他と一線を画しています。ビエンナーレはデザインを普及させ、どんな人にも身近なものとする。クリエイティブな領域はさまざまな形で表現され、実際にそれを手に取る人間の様相で表されるということも証明するのです。

このような興味深いテーマのもと、9つのメインとなる展覧会を含め、全部で16つの展覧会が開催されたこのビエンナーレ。日本を含む5カ国の展示も交えながら、実際の内容を詳しく見てみましょう。
affiche_last2.jpg

メインエキシビション
今回のビエンナーレの核となった展覧会は以下の9つの内容です。
・Between reality and the impossible(現実と不可能の間):プロダクト、フォトシナリオ、ビデオ、3Dテキストなどを通して、わたしたちが望むテクノロジー社会を考える
between2.jpg

・Comfort(心地良さ):ますます快適になる現代の暮らしにおいて、「心地良さ」の物質的側面を道具や装置を通して解読
teleport1.jpg

・Demain, c’est aujourd’hui(未来、それは今日):未来のプロダクトと共に描写される、わたしたちの未来生活の概観
demain29.jpg

・La ville mobile(動く街):拡大を続ける現代の大都市の中で動き、動かすこと。「移動」に関連する新しい眺望
ville_mobile4.jpg

・L’entreprise(会社):「会社で働くこと」と「ワークプレイス」をテーマに、架空の会社で職場を疑似体験
entreprise8.jpg

・Lumiere)s((光):光、ダンス、デザインそして薬と新しいテクノロジーのリンク
lumieres1.jpg

・N-12010:グラフィック・デジタル・サウンドデザインにおける新たなリサーチ&実験プロジェクト
n-1_21.jpg

・Prediction(予言):コンテンポラリーなデザインの新しい形式、手法、利用、実用の解釈を自身で試みる
prediction1.jpg

・Process Design(プロセスデザイン):プロダクトとして成功したデザインの始まりを探る、デザインアプローチへの物語
process_design2.jpg

このメインエキシビションの中で、Carlinが特に気に入っているテーマが3つ目の“Demain, c’est aujourd’hui(未来、それは今日)”です。ここでは、素晴らしく革新的なヴィジョンで未来のライフスタイルのさまざまなシナリオを描き出しています。

インターナショナルエキシビション
今回のビエンナーレでは、スペイン、ベルギー、フィンランド、中国、そして日本の5カ国がフィーチャーされ、それぞれの企画展示も行われました。

日本のデザインに対しては、特別な敬意が表され、「WA−現代日本のデザインと調和の精神」展と「無印良品からハローキティまで、食品における日本文化」という2つの展示会が開催されました。日本文化の「アンビバレンス(両面性)」を明かすユニークなエキシビションとして、注目を集めました。この2つのエキシビションには、世界でも大きな評価を受けている日本企業や日本人デザイナー、デザインオフィスが数多く参加しています。
サンテチエンヌ国際デザインビエンナーレ2010インターナショナルデザイン

WA−現代日本のデザインと調和の精神」展
日本の日常生活で使用されているプロダクトアイテムを展開。使用方法によって12のタイプに分類され(包装用品とバック、バスアイテム、おもちゃ、照明器具など・・)展示されました。わたしたちが「和」と認識している日本の伝統的なハーモニー / 調和のコンセプトを反映する品々が紹介されました。また、この展覧会は国際交流基金のよる海外巡回展でもあります。国際交流基金

wa1.jpg
Naoca, One piece Slippers,Naoko Hirota (Hirota Design Studio), 2004

無印良品からハローキティまで、食品における日本文化」展
この展覧会では、来場者の目の前に日本のコンビニが出現。洗練された商品展示・陳列に調理器具、発想豊かな包装やパッケージ、工夫の才に富んだテイクアウトフードや手作りのファストフードなどが驚嘆を持って紹介されています。この展覧会は、日本の食品デザインを発見する絶好の機会であるとされ「現代性と伝統、シンプルでキッチュ、日本文化のビジョンには驚かされる!」とうたわれています。実際にビエンナーレを鑑賞したCarlinのパリスタッフも、日本に関するこれら2つのエキシビションはヨーロッパ人にとっては本当に興味深く、デザインと伝統を結びつける独特の表現に魅了されたようです。

kitty1.jpg
Drink Shef in a supermarket of Tokyo, Shoko Muraguchi

テレポーテーションのすすめ
今回のサンテチエンヌ国際デザインビエンナーレで非常に興味深く感じたのは、来場者が作品や会場に「参加」しているということです。デザイン作品を観て、思案し、想像し、夢を見たり、インスピレーションを受けたりするだけでなく、作品中の架空の世界−未来の世界や、架空の街や企業に、来場者自身がいつのまにか存在しているということです。現在から未来へ、ヨーロッパから日本へ、2Dから3Dへ、完成されたプロダクトからデザイン発祥の原点へ、便利になった現代から不便だった過去へ、テレポーテーションの可能性は無限大です。

この度栄誉あるノーベル化学賞を受賞された米国パドュー大学特別教授の根岸英一さんは、研究に行き詰るとピアノを弾く、とどこかでお話しされていました。化学と芸術、実験と音楽、二つの異なった世界を行き来することで、また新たな発想が生れて来るのでしょう。さて、今日はどこにテレポートしましょうか・・・?

*ここで掲載した写真・イメージは「サンテチエンヌ国際デザインビエンナーレ」公式ホームページより引用させて頂きました。ビエンナーレ及び作品の詳細に関しましても、こちらをご参照下さい。
サンテチエンヌ国際デザインビエンナーレ2010








posted by グローカルネット at 16:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月22日

World Design Capital Helsinki 2012 / ワールド・デザイン・キャピタル・ヘルシンキ2012

World Design Capital Helsinki 2012
2009年11月25日、シンガポールで開催されたワールドデザイン会議で、国際工業デザイン社会委員会によって、フィンランドの首都、ヘルシンキが2012年のワールド・デザイン・キャピタルに選出されました。偶然にも、その200年前の1812年、ロシア支配の下でヘルシンキはフィンランドの首都になったのですが、200年後の2012年に、ヘルシンキは世界のデザインの首都になるのです。

senaatintori.mainimage.jpg

国際インダストリアルデザイン団体協議会(ICSID)と国際グラフィック団体協議会(ICOGRADA)が、2年に一度共同で開催するデザインのイベントが、ワールド・デザイン・キャピタルです。世界中から1都市が選ばれ、その街を中心に世界各国がそれぞれの国のデザインを紹介すると同時に、「デザイン」が促す都市生活の発展や都市環境の再生に、官民が一体となって取り組む場でもあります。

logo.png

2008年より始まったこの世界的なデザインイベントは、まずデザイン大国イタリアのトリノが第1回開催都市として選出されました。その後、第2回目の開催地として、2010年日本のお隣りの国、韓国のソウルが選ばれ今日に至ります。
そして、満を持して、次回のワールド・デザイン・キャピタルにヘルシンキが決定したのです。テーマは、“Design in Life”。街の中で繰り広げられる日常生活にデザインに満ちている、そんなヘルシンキにぴったりのテーマです。

HEL-2.jpg

“ヘルシンキは、建築、インテリア、都市、サステナブル、工業、コミュニケーション・・・と言った、幅広い様々な分野のデザインにおいて卓越しています。人々の暮らしは、優れたデザインによって、ますます楽しく快適なものになります。より競争力のあるビジネスを生み出し、あらゆる人々に実りある体験をもたらすのです。”
World Design Capital Helsinki 2012 公式ウェブサイトより

ワールド・デザイン・キャピタルの期間中は、数多くのデザインに関するイベントが、首都ヘルシンキだけでなく、フィンランドの地方都市も含めて開催されるとのことです。

HEL7.jpg

HIRAMEKI Design x Finland
2012年までは、まだまだ時間があり待ち切れない感がありますが、この秋日本でこれまでの中では最大規模のフィンランドデザインのイベントが開催されます。
「HIRAMEKI Design x Finland」というタイトルで、10月29日〜11月7日の間、リビングセンターOZONE(西新宿)で開かれます。フィンランドの“Design in Life”の現在を垣間見ることが出来る、とても興味深い内容のエキシビションとなりそうです。

また、この展覧会は今秋の「東京デザイナーウィーク2010」及び「デザインタイドトーキョー2010」にも参加することになっており、同時にデザインに関するセミナーや、フィンランド・フィルム・フェスティバルなども開かれるとのこと。フィンランドのカルチャーを包括的に楽しめる、貴重な時間になるのでは。

HIRAMEKI Design x Finland 公式ウェブサイト
リビングデザインセンターOZONE 公式ウェブサイト 

HEL8.jpg

ヘルシンキでのウィンターホリディ
数年前の冬休み、ヘルシンキで新年を迎えました。氷点下の凍てつく空気の中、まるでスキーウェアのような完璧な防寒具を身にまとい、元気にヘルシンキの街のデザインアドレスを巡っている人たちがいました。「冷凍庫の中にいるような、真冬のヘルシンキに観光にやって来るのは、ムーミンに、サンタクロースに、マリメッコに・・・フィンランド好きの日本人くらいだろう・・・」と思いつつ、その異国の人々に近づいて、耳をすませてみると・・・その観光客の一団は、なんとイタリア人だったのです!

marimekko.jpg

そこは、ヘルシンキ中心部、港へ抜けるエスプラナーデ大通り。通りの中心部は公園になった緑豊かな大通りの両側に、食器、ファーニチャー、インテリア雑貨、テキスタイル・・・などを取り扱う、日本でも良く知られたフィニッシュ・ビックネームをかかげたショップが並びます。マリメッコ(Marimekko)、イッタラ(Iittala)、アアリッカ(Aarikka)・・・すてきなウィンドウディスプレイと暖かそうな店内に惹かれて、吸い込まれるように中に入ってみると・・・デザイン好きの多くの日本人と同じように、目を輝かせつつ真剣にプロダクトを吟味しているイタリア人が、そこかしこに。賑やかな店内の空気に、ほっとしたのを覚えています。

Iittala.jpg

雪ニモ負ケズ、氷ニモ負ケズ・・・。優れたデザインに魅了されるイタリア人と日本人。デザインを大切にし美しいものを愛でるセンスを、2国間で共有しているような気がして、とてもうれしくなりました。イタリア人も日本人も、フィンランドの感性と自国のそれとを比較し、相違点を見出し、インスピレーションや刺激を受け、個々の生活に取り入れていく。それが、また新しいクリエーションのヒントになる、ポジティブなスパイラル。

aarikka.jpg

Design in Life
グラス一個でも、バック一つでも、小さなものでも、大きなものでも、たった一つの何かが、わたしたちの日常生活を大きく変えたりします。毎日飲むコーヒーが一層おいしく感じられたり、学校に行くのが楽しくなったり・・・。そんな、ささやかだけれど、大きなきっかけを与えてくれるフィンランドのデザイン。
“Design in Life(生活の中のデザイン)”とは、近未来的な建築や、エッジーなコンテンポラリーアートの展覧会のみならず、こんな簡単で身近なことなのかもしれません。

いつか、なるべく早い時期に、アジアからの2番目の国として、このワールド・デザイン・キャピタルにどこか日本の一都市が選ばれたらいいな、と思います。その時には、国全体、国民みんなでデザインを楽しめたら、現在のような停滞した空気感を吹き飛ばせるかも・・・。魅力的な地方都市でいっぱいの、わたしたちの国、日本。どの街がいいかな、と想像するだけで楽しくなります。皆さんは、どの街がいいと思いますか?

*写真・画像は以下より引用させて頂きました*
World Design Capital Helsinki 2012 公式ウェブサイト
Iittala 公式ホームページ
Marimekko 公式ホームページ
Aarikka 公式ホームページ
フィンランド政府観光局 公式ホームページ
posted by グローカルネット at 15:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月19日

上海万博に見る“Better City, Better Life”のあり方

1851年に初めての万国博覧会がロンドンで開かれてから約1.5世紀が経つ今年2010年に開催されている上海万国博覧会には、世界192カ国と50の国際機関が参加をしています。

万博のメインテーマは、“Better City, Better Life(より良い都市、より良い暮らし)”。
世界の都市開発のあり方を、エコロジーやサスティナビリティといった地球環境の点から考えます。

世界各国がそれぞれの国の最先端環境技術、持続可能な発展、エコライフの姿を伝えていますが、今回はデザインに、またエコテクノロジーにおいて、常に世界に新しい何かを発信し続けているヨーロッパの3カ国、イギリス、フィンランド、オランダを、わたしたちの主観でピックアップしてみました。

★“The Seed Cathedral(種子の大聖堂)” とげとげのイギリス館★
いつの時代も最先端のデザインで世界を魅了しつつ、時に人々の度肝を抜かせるデザイン先進国イギリスが発表した万博パビリオンは、今回もわたしたちの期待を裏切らないシュールな姿を露にしました。
2010041751321.jpg
60,000本もの、細く透明で長さ7.5mの触覚が、メインビルディングから飛び出し風にゆれています。
昼間は太陽の光を取り込みパビリオン内部を照らし、夜は建物内部に面した触覚の末端が光を発します。
20100422150438_77745.jpg
それぞれの触角の先端部分には、何万種類もの植物の種子が内包されています。
パビリオン内部では、植物学の研究や種の保存で世界的に有名な英国王立植物園−キューガーデンの関連機関である’キューミレニアム種子バンク’の協力により、内包された種子の姿を観察することが出来ます。
20100422150438_14884.jpg
種子の多様性には、未だ計り知れない潜在的効能・効用が秘められています。新薬・新素材の開発、建築資材、コミュニケーションシステム、サスティナブルなエネルギー・・・など、これまでもそしてこれからも
わたしたちの生活に欠かせない役割を担っています。

このとげとげの触角の先に包まれた種たちは、今年の終わり上海万博終了後には中国各地の学校に寄付される予定であるとのことです。都市や産業の発展だけでなく、中国全体が緑の植物で覆われますように・・・。

最先端技術とデザイン、そして種の起源である種子がフィーチャーされるところが、伝統と革新が常に共存する英国らしい展示内容でとても魅力的です。

詳細はこちら:上海万博イギリス館
(写真は、上記上海万博公式ホームページ及びイギリス館公式ホームページより引用させて頂きました。)

★“Kirnu”(キルヌ=巨人の大鍋) 水面に浮かぶフィンランド館★
まるで、ムーミン谷の妖精が住んでいそうな、<巨人の大鍋>と呼ばれる不思議なオブジェがフィンランドのパビリオンです。パビリオンは、水の中から出現した小島がイメージされていて、水面の上を橋を渡って入場します。この水面には、パビリオン周辺の熱気を冷ます、打ち水のような効果もあるのです。
2010041428371.jpg
現在のフィンランドの地形は、氷河期に形成されました。フィンランドが何キロもの厚さの氷に覆われていた時に、巨大な氷河の圧力で氷が砕かれ空洞が出現し、<巨人の大鍋>のような地形が生れたのだそうです。
100409_Finland_Pavilion_01b.jpg
デザインだけでなく、エコ&サスティナビリティの面でも、常に世界のお手本となるフィンランドは今回のパビリオンを「サステイナブル・ビルディング」の実験室と題し、再生可能素材またリサイクルされたマテリアルをマキシマムに用いる<フィンランド流ソリューション>を提案しています。

例えば、このパビリオンの骨格はボルトで留められているので、解体、移動そして再構築が簡単に行えます。
また、パビリオン内の各施設の向き、軽い外壁、窓の構造、自然換気などによって、エアコンによる室温調整を最低限にし、エネルギー消費もCO2の排出もミニマムに抑えられています。

さらに、特筆すべきはパビリオンを覆っている、うろこ形の集合体のような不思議な外壁です。この外壁の素材は、なんと産業プロダクトのリサイクルから生れた、紙材とプラスチックの合成物なのです。リサイクルされた廃棄物によって、新しい建設資材が誕生しました。紙材にはウォータープルーフ加工がなされています。
100311_Shanghai_Expo_081.jpg
こうしたイノベーティブなリサイクル素材を生み出すだけでなく、このような素材でうろこの型を作り、おとぎ話に出て来そうな<巨人の大鍋>を再現する面白さ。地球環境のためだけのストイックなエコ思想ではなく、エコをクリエイティビティの材料として楽しんでしまう、フィンランドの最先端エコスピリット。まだまだ、フィンランドに学ぶことは多そうです。

詳細はこちら:上海万博フィンランド館
(写真は、上記上海万博公式ホームページ及びフィンランド館公式ホームページより引用させて頂きました。)


★“Happy Street” 中国のラッキーナンバー8を体現するオランダ館★
空の上から俯瞰すると、パビリオンの中心を貫く大通り = “ハッピーストリート”が、中国のラッキーナンバーである「8」を形作っているオランダ館。メインカラーのオレンジを基本に、カラフルで楽しい小さな町とハイテク商店街が再現されています。
2010021007371.jpg
この小さな町のジオラマの中には、オランダ各地の伝統建築に基づいた28個の家々と無数のオブジェが立ち並んでいます。この家々の中で、オランダが誇る最新のエコテクノロジーやデザインに触れることができるようになっています。

☆Green Interior / グリーンインテリア☆
世界的に有名なオランダ人デザイナー Piet Hein Eek の作品が展示されています。リサイクル素材を利用した家具が広く知られています。
4595015010_694d377ece_s.jpg
☆Home Farming / ホームファーミング☆
オランダの家電メーカー、Philipsが展示しているのは室内のスモールファーム。外界からのあらゆる有害物質を排除して、毎日の家族の食卓に並ぶ食材を、水・有機肥料・日光の力で室内栽培しています。
有機レタス、きゅうり、ハーブ・・・そして、魚まで!
4594398727_a955f6baf2_s.jpg
☆Smart Textiles / スマートテキスタイル☆
ここでは、ハイテク素材を使用したユニフォームを着用した消防士たち(のマネキン)が、その雄姿をお披露目。TenCate社(オランダの多国籍テキスタイルメーカー)が開発したテキスタイルは、外気温が人間の生存可能な温度を超えると、その素材を着用している消防士に警告が発せられるというスマートなマテリアル。
4594399727_0515f2cb3f_s.jpg
今年2010年には世界人口の約55%が都市に集中する、との統計上予測がされる中、その小さな国土に極めて高い人口密度を有するオランダ流の都市開発が、爆発的な人口増加を抱える中国及び世界に伝えることができること。

最先端のエコロジー&サスティナブルテクノロジーで、環境に配慮をした都市開発を提案するだけでなく、このオープンで明るく遊び心にあふれた、オランダ人の気質そのものを表しているパビリオンでは都市での生活がもっと楽しくなる、<日常生活を楽しむエコ>のあるべき姿を、わたしたちに垣間見せてくれているのです。
4595014794_8bc46c0b74_s.jpg4595014580_5563b2cf85_s.jpg4595017632_00291e48bd_s.jpg

詳細はこちら:上海万博オランダ館
(写真は、上記上海万博公式ホームページ及びオランダ館公式ホームページより引用させて頂きました。)


各国のお国自慢の場でもある万国博覧会は、今回の上海万博のメインテーマである“Better City, Better Life(より良い都市、より良い暮らし)”を、それぞれの国々のアイディアによって様々に解釈され、完成度の高いパビリオンとして実現されています。

地球規模の環境問題に対峙する上で、一口にエコ、サスティナビリティ、リサイクル、最先端テクノロジー・・・と言っても、各国のお国柄や国民性が如実に表われた、実にポジティブで楽しい提案が数多くなされています。
それぞれの国のお家芸を持ちより、その斬新で楽しい英知を共有する。それこそが、万国博覧会の変わることのない本質であり、“日常生活を楽しみながらエコを実現する”ということが、今後のエコのあり方なのではないでしょうか。

わたしたちも、まだまだ新しい発想やアイディアを生み出す余地がありそうです。


posted by グローカルネット at 18:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月15日

組み合わせの妙 〜すてきに倫理的に〜

最近、というか時代の影響もあるのか、
「ものがあり過ぎる」
と改めて感じることがあります。

私たちがものを持ち過ぎる理由。
その主な理由は、
場面やスタイル、その時々の気分に合わせたものが必要、または欲しいということ。
これは当然でしょう。
色や形、機能など、必要用途に合わせて、そして物欲のままに…
そうして、身の回りのものは増えていくのです。

ただ、こうした時代に、ちょっと視点を変えると、ちょっと工夫を加えると、
私たちのニーズを満たし、かつ倫理的な “もの” の在り方に気付きます。

これはとても単純な視点。
ひとつのもので、いろんなバリエーションを楽しめること。
ものとものを組み合わせて、いろんな場面に適応させること。

当たり前のように、場面ごと、用途ごとに特定のものを揃えた時代。
ものが社会からあふれ、処理しきれない時代。
それは健全な社会とは言えません。

いま、身の回りの何気ない “もの” から
見つめ直してみましょう。



chanceglasses.jpg © 2009 carlin international.
グラスの持ち手が組み換え可能なら… 不必要に揃える必要なんてないのです。
日常で使用する時、パーティーのワイングラス、
シーンに合わせて楽しく適応させましょう。



【Flatshare Fridge by Electrolux Design Lab】
flatshare.jpg
こちらは、昨年のエレクトロラックスが開催したデザインコンペの受賞作品。
「Flatshare」という名前の通り、フラットシェアをしている学生を想定し、
不必要に大きい冷蔵庫を学生一人ひとりが持つ必要性をなくしたアイデアです。
可愛らしい各パーツごとに、冷蔵・冷凍・飲料立てなどの独立した機能を備えており、
必要な人数に応じてパーツを重ねることも出来ます。
Electrolux Design Lab


【スタッキングシェルフ by 無印良品】
stuckingshelf.jpg
現在CMも放送中の無印良品のスタッキングシェルフ。
豊富なパーツを組み合わせて、自分の好きなように形を変えることが出来る汎用性の高い収納棚。
もう不必要に場所を取る棚自体を増やす必要なんてないかもしれません。
無印良品:スタッキングシェルフ


【Suspender by phrungnii】
suspender.jpg
こちらは、今年のDesign Tide Tokyoに出展されていたphrungniiのsuspenderというバッグ。
取っ手と袋部分が自由に組み合わせられる構造になっています。
丈夫な革製の取っ手は使い込むほどに味が出て、
これまた丈夫な帆布を使用した袋部分は気分や用途に応じてチョイス。
一度揃えれば、長くいろんな場面で活躍してくれそうです。
phrungnii


【リバーシブルウォッチ by PIAGET】
piaget.jpg
先日発表された第9回ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ2009の
レディースウォッチ賞を受賞したピアジェのリバーシブルウォッチ。
ダイヤに彩られたゴージャスな面と、シックな印象の面、
1つのウォッチに対照的なデザインを取り入れ、シーンに合わせて使いこなせそうです。
一生モノのラグジュアリーな商品だからこそ、このようなデザインは特別な喜びを与えてくれます。
参考:VOGUE.COM




そして、何より大切なことは、ものを使う私たち自身が
ものの価値、ものの可能性を見失わないこと。
古くなったから、壊れたから、果たしてその “もの” の命は終わりでしょうか。
そんな視点を大切にしたいのです。

【The Uniform Project ― 1 dress, 365 days】
uni71.jpguni113.jpguni124.jpguni82.jpg
こちらは、ニューヨークの広告クリエイティブデザイナー Sheena Matheiken さんが、
2009年5月から取り組んでいるプロジェクト。
友人がデザインしたたった1着のドレスを365日着回すことで、
「持続可能なファッション」という概念を体現することを目的としています。
きっかけはインドで過ごした学生時代、「年中着る学生服をいかにオシャレに着こなすか」
と考えて過ごしていたことを思い出し、このプロジェクトを実行したそうです。
毎日同じドレスを、手作りの小物やアクセサリーと組み合わせ、
まるで毎日がショーのようにユニークなスタイルを楽しんでいる姿は、
「オシャレするには服がいっぱい必要」という認識をくつがえし、
倫理的で本質的なファッション、そして本当のオシャレの楽しみ方を教えてくれるものです。
また、サイトを訪れた人々にインドの貧困層の子供たちを支援するための募金を呼び掛け、
社会問題への意識を喚起しています。
The Uniform Project


【Droog Design】
droog762.jpg
オランダのドローグ・デザインによる作品たち。
使い古したものたちの命は、果たしてそこで終わりでしょうか。
まだまだ、こんなに生き生きとユニークに輝くことが出来ることを気付かせてくれます。
Droog Design






このような時代だからこそ、ようやく私たち自身、そして社会全体が、
つくるもの、買うもの、ひとつひとつの “もの” の命を、
本当に考えるようになっています。

ものを増やすのではなく、
ひとつのものの可能性を追求すること、
今あるものとものを組み合わせて生まれる新たな魅力を発見すること、
そして楽しい視点を忘れないこと★



2010年もすてきなアイデアに出逢えますように...

皆様、良いお年を。



posted by グローカルネット at 13:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月05日

“もの”の進化 〜感情に近づいて〜

時代が移ろいゆく中で、ものづくりにある方向性が生まれています。

いま、わたしたちの周囲を見渡して存在する“もの”は、
もちろん人間が創り出してきたもの。
しかし、現代は少し豊かになり過ぎたように思います。
わたしたちは、ひとつひとつの“もの”を特別な存在として感じることを忘れ、
「壊れたらすぐに取り替えればいい」という具合に、
単なる“物”という概念がはびこっているのです。

そんな中、“もの”自体がまるで進化の意志を持っているかのように、
人間の感情に近づこうとしています。

「もっと楽しんで」
「もっと大切にして」

そうした人の感情に訴えるような“もの”が必要とされているのではないでしょうか。
触れた時に、何か創り手の感情が伝わってくるもの、大切にしたいと思えるもの、
そして自分の感情を反映してくれるもの、
それこそが人の感情と新しい関係を築く“もの”となるはずです。

そんな“もの”は、まだ日常には少ないかもしれません。
ただ、テクノロジーとつながる実験的な試みの中から、
またちょっとしたアイデアの中から生まれてきているようです。

今回は、そのような“もの”を2つの展示会から見つけました。



TOKYO FIBER ’09 SENSEWARE
senseware.jpg
先端を行く日本の人工繊維技術と様々なアーティストたちが協力し、
未来に向けて人間の創造性とものづくりの可能性を探究していくこの展覧会。
ハイテクノロジーと創造力の融合によって、
まさに“もの”が人間の感覚・感情に近づいているような作品たちでした。
いくつかの作品を取り上げます。

【笑うクルマ】
smile-car.jpg
旭化成せんい鰍フゴムよりもよく伸び、引張強度も強いポリウレタン弾性繊維「ロイカ」を、日産自動車のcubeのボディに用いている。
ドライバーの人格を映すクルマには当然表情があっていい、というコンセプトで、クルマとクルマ、クルマと人との関係を楽しくさせてくれるアイデア。近未来の道路では、クラクションでなく笑顔でコミュニケーションをとれるかもしれませんね。


【TO BE SOMEONE】
to-be-someone.jpg
旭化成せんい鰍フ熱可塑性の特徴を持ち、加熱すると容易に変形可能で加熱プレス成型加工が出来る高機能不織布である「スマッシュ」を、ミントデザインズが手掛け、これまでにないマスクに。
特に現在は新型インフルエンザの影響もあり、街中にマスク姿が溢れている中で、これまでの「医療用」といった趣を捨て、着けただけで楽しくファッショナブルに変身出来るようなマスクがあれば、もっと外出が楽しくなるのでは。作品では、ユーモアのあるチンパンジーや美人顔が成型されていました。


【繭のゆりかご、マザーピース】
baby-mother.jpg
潟Nラレの通気性、吸水性、吸音性、伸縮性を持ち、熱で自在に成型可能な高機能不織布「フレクスター」を、ファッションデザイナー津村耕佑氏が手掛けた作品。
軟らかな部分と硬化した部分を同時にひとつの素材に発現しているところから、赤ちゃんを包むゆりかごと、母をイメージした服が生まれました。ゆりかごの余った軟らかな布は、赤ちゃんに掛けても、端を持って揺らすことも可能。自由に連結できる成型ピースをつなげた服は、DNAのつながりが表現されています。


【ミストベンチ】
mistbench.jpg
三菱レイヨン鰍フ光の伝送機能を持つプラスチックを材料とする光ファイバー「エスカ」を、グエナエル・ニコラ氏が手掛けた作品。
無数のセンサーが訪れる人の動きを感知し、誰かが近づくとうっすらと発光する光のベンチ。ベンチに座るという単なる動作が、まるで自分がベンチに迎えられているような感覚的体験を味わわせてくれます。


SENSEWARE公式サイト:http://tokyofiber.com/ja/


これらの作品のように、今後より技術革新が進むテクノロジーは、
もはや無機質なものでなく、人の感情に近づくような“もの”を
より多く生み出してくれることでしょう。



DESIGNTIDE TOKYO 2009
designtide.jpg
10/30-11/3まで東京ミッドタウンを中心に開催されたデザインタイド・トーキョー。
幅広い分野の厳選された作品が集まるこのイベントでは、
ちょっとしたアイデアから感情に訴えかけるような効果を持つ
魅力たっぷりの“もの”たちが提案されていました。
いくつかご紹介します。

【KEAT by 83Design】
83design.jpg
こちらはドアや冷蔵庫などに貼り付けてカギを挿しておくもの。ただ、その顔を思わせる空洞にカギを挿すことで、カギの持つギザギザ部分が口から覗く歯になり、“もの”が笑顔に変化します。日常の何てことのない動作にも感情的な要素を加えるアイデアです。
83Design


【HEART by +d(アッシュコンセプト)】
heart.jpg
ペットボトルは飲み終わったら当たり前に捨てるものだと思っていませんか?
この作品はペットボトルのリユースと使う人に優しい機能、そしてハート型が心を和ませる付け替えキャップです。普段持ち歩く容器としてのペットボトルも、可愛く楽しくアレンジして立派なデザインアイテムに。
h concept


【Askul Limited Store.】
askul-goods.jpg
オフィス用品や毎日使う消耗品の販売で知られているアスクルですが、『毎日使う日用品だからこそ、使って心地の良いデザインを』というコンセプトで開発されたPB商品たち。これまで消耗品というイメージがあったような何気ない“もの”たちも楽しくデザインされ、大切に使いたくなるような感情が湧いてきます。
Askul Limited Store.


【Precious Cusion by minna】
minna.jpg
ダンボールに詰められてものが送られてくる時、必ず緩衝材が入っていると思います。これまでは単に商品を保護するためでしたが、そこに送り手の感情を加えると… バラやLOVEといったデザイン性のある緩衝材は、商品により一層大切な送り手の想いをプラスしてくれるのです。
minna


【Spica by 山本侑樹】
spica.jpg
人が音楽を聞くという行為と心地よい空間を創り出す機能を一体化させ、「音」と「光」という要素を併せ持ったスピーカーの提案。音に合わせて中に入った水が跳ね、きらめき、そして光で空間を演出し、人の感情を満たしてくれるプロダクトです。
Yuki Yamamoto Web


DESIGNTIDE TOKYO 2009公式サイト:http://www.designtide.jp/09/jp/



さて、当たり前ではありますが、
現在のように技術が進化し続け、かつ環境問題への認識が高まった社会において、
ものづくりは大きな責任を負っています。
ただ、今後重要なポイントは、最先端技術を詰め込んだハイテクプロダクトでも、
お決まりの「エコ!」や「安い!」を過剰にアピールした商品でもなく、
ずばり “人の感情に近づくもの” と言えるでしょう。

そんな“もの”に囲まれた生活は、なんだか毎日が楽しくなりそうに思えるのです。

posted by グローカルネット at 11:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月18日

プロダクトの形状と機能

誰もが日々当たり前に使っている身の回りのプロダクト。
社会に定着して歴史を重ねると、当たり前になり過ぎて「こういうもんだ」と、
そのプロダクトの形状や機能を改めて見直すことは少なくなります。

ただ、そのようなプロダクトに関する既存の概念を壊すまではいかなくても、
少し見方を変えて登場するようなユニークなプロダクトに、
時に「なるほど」と驚かされることがあります。
形状を少し変えることで、新しい機能や付加価値が生まれるのです。


“傘”というプロダクトの歴史は3400年もあるそうですが、
その形状に新しいアイデアが吹き込まれました。
senzumbrellas.jpg nubrellap3.jpg
(左)SENZ Umbrellas
2008年度のグッドデザイン賞を受賞した「SENZ Umbrellas」。独特な形状は、強い風の中でも傘が裏返り壊れることを防ぐための緻密な分析・開発の成果から誕生したようです。ユニークなデザインで、雨の日も楽しくなります。
(右)Nubrella
アメリカで発売以来、話題となっている「ヌーブレラ」という傘。見ての通りスッポリと身体に被ってしまうもので、これまでの“傘”の概念に囚われないアイデアです。両手が自由になりますので、雨の日も忙しい方にはピッタリ!かなり目立ちますが...


箸&お玉
生活を楽しくするというコンセプトで、
様々なデザインプロダクトを発表しているアッシュコンセプト。
何気ないアイデアに感心してしまいます。
phot03.jpg phot01.jpg
(左)UKI HASHI
箸の先が少し浮いており、箸置きが要らないお箸。
(右)Tate Otama
絶妙なバランスで自立することが出来るお玉。美しく、キッチンスペースも有効活用!
アッシュコンセプト「+d」


ペン&消しゴム
uwing1b.jpg kadokeshi.jpg
(左)U-WING ボールペン
ペンは棒状である、という認識を覆すボールペン。「書く」という行為を楽しめるように考えられた形状で、足や口などあらゆる筆記行為に対応出来るユニバーサルデザインが取り入れられています。
(右)カドケシ
従来の消しゴムは角がすぐに減ってしまうので細かい部分が消せなかった...なんていうシンプルなニーズを満たすアイデア。どんどん新しい角が出てきますね。
商品ページ:caina.jp


シャチハタ
シャチハタ株式会社が開催した
「第10回シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」。
今回のテーマは「マーキング・コミュニケーションツール」で、
商品化を前提とした斬新且つ具体的なアイデアが集まったようです。
shachihata1.jpg shachihata2.jpg
(左)テープスタンプ
文字などをスタンプしたテープをカットすると様々なものに貼ることが可能になり、幅広いシーンで活用できる新たなコミュニケーションツールの提案です。
(右)ミテオス
捺印の際の曲がりやズレ、はみ出しを防ぐことが出来る印鑑と朱肉。ありそうでなかった便利な機能。
公式ページ:http://forte-inc.co.jp/sndc/


シューズボックス
newton_running.jpg
シューズを買うと当たり前のように直方体のボックスに入れられ、場所も取り、ゴミにもなり、不要だと感じたことがある方は多いと思います。Newton Runningではエコロジーにも配慮し、シューズの型にピッタリのゴミの出ない100%リサイクル可能なシューズボックスを採用しました。
記事:Green Daily


プリーツの椅子
pleatschair1.jpg   pleatschair.jpg
© Carlin International
(左)カルランが提案した“プリーツの椅子”。プロダクトの形状と機能を考えるうえで、もちろん素材は大切な要素です。これまでファッションやインテリアで、単なる見た目の美しさとして使われてきた“プリーツ(ひだ)”。大胆にあしらうと、クッション性という機能を持つ新たなデザインに変化します。
(右)実際にミラノサローネ2009にも登場したデザインです。




さて、このようなユニークなプロダクトを見ると、
長い歴史の中で定着してきた様々なプロダクトの形状が、
すべて“正しい”ということはなさそうです。
生活の中で感じたちょっとしたニーズや眠っているアイデアを取り入れてみると、
これまた新しく、“愛着” のあるデザインの誕生です♪


posted by グローカルネット at 10:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

未来へ−テクノロジーが創る新たなカタチ

絶え間なく発展を続けるテクノロジーは、
プロダクトの“形状”と“機能”の既存概念を超えます。
その先端分野であるデジタル家電や工業製品では、
着々と新しいカタチの開発が進んでいるようです。

携帯電話
もはや当たり前に毎日の生活に定着した携帯電話。
いつも持っているモノだからこそ、常に魅力的なカタチが求められます。
そんな中で、テクノロジーの恩恵により様々な可能性が広がっています。

【au - iida】
以前から革新的なデザインを発表してきたauより、
今年から始まったデザインプロジェクト「iida」。
持つ喜びや楽しさ、感性、価値観といった要素に重点を置き、
これまでの携帯電話の概念をリニューアルしています。

gakkimobile.jpg solarphone.jpg iidaacce.jpg
(左)ガッキ ト ケータイ
楽器と携帯電話の融合をコンセプトに、使った時の面白さや感覚をデザイン。使うという行為を楽しく、愛着を生む遊び心溢れるコンセプト。
(中)SOLAR PHONE
バッテリー充電の補助機能として、太陽エネルギーを使って充電するというコンセプト。ソーラーパネルを使って充電するという“アクション”そのものを楽しむことがポイント。
(右)関連アクセサリー
アクセサリーも例外ではない。いつの間にか絡まってしまう充電器のコード...いっそ最初から絡めて携帯や小物を置けるトレイに!おもしろいアイデア。
公式ページ:http://iida.jp/products/future-concepts/


【LG Mobile Design 学生コンペティション2008】
planet-phone.jpg
LG電子が開催した携帯電話のデザインコンペ。若い学生からアイデアを募るというのもおもしろい。グランプリ作品の「Planet Phone」は、人とのつながりをプラネタリウムのような形と輝く星の光で視覚的に表現している。テクノロジーの冷たい要素に人間的なコミュニケーションを加えた、未来的なコンセプト。
公式ページ:http://jp.lge.com/index.do?target=compe9


【Nokia – The Morph Concept】
morph.jpg
2008年にノキアが英国ケンブリッジ大・ナノサイエンスセンターと協力し発表した“Morph(モーフ)”という驚くべきコンセプト。ナノテクノロジーによって、素材や部品が伸縮自在になり、柔軟性や透明感が生まれるそうです。時には携帯電話に、時には腕時計、あるいはMP3やキーボードなど、形や設定を自由に変えることが可能になるのでしょうか。
紹介ムービー:

公式ページ:Nokia - The Morph concept


自動車
東京モーターショー2007で注目を浴びたコンセプトカーも、
その愛らしい形状と革新的な性能を備えた未来のコンセプトが表現されています。
ボディが柔らかく安全性が高い、360度回転、そして感情とつながる愛らしさなど...
エコロジーへの配慮はもちろんのこと、こうした新しいカタチの自動車が実用化され、
実際の市場に登場するのもそう遠くないのかもしれません。
honda-puyo.jpg nissan_pivo_2.jpg
(左)HONDA PUYO
(右)NISSAN PIVO2


Aptera.jpg
アメリカのアプテラモーターズが開発した、愛らしくラグジュアリーで未来的な電気自動車“アプテラ”。2009年後半にカリフォルニアで発売される予定で、ハイブリッドタイプと完全電気モデルがあるそうです。
Aptera Motors


ロボット
そして、日本が世界をリードするロボット技術。
まだ私たちの日常には登場していませんが、
非常に様々な領域で開発が進んでいるようです。
最近、マスコミに登場した以下の2つの事例は驚くべきものでした。

【移動型ロボット Halluc II】
halluc2.jpg
fuRo(千葉工業大学未来ロボット技術研究センター)が開発を行っているHallucII(ハルク・ツー)という移動型ロボット。多関節車輪モジュールを8脚装備し、56個の超多モータシステムを搭載しているというロボットで、ビークル(車両)モード、インセクト(昆虫)モード、アニマル(動物)モードの3形態に変形可能。形態を変形させ、走行と歩行を切り替えることで、平面から段差、足場の悪い斜面など、従来にない高い移動性能を実現したということです。今後、様々な可能性がありそうです。ぜひ、その動きを映像で確認してみてください。
公式ページ:http://www.furo.org/ja/robot/halluc2/movie.html


【人型ロボット SAYA】
saya.jpg
東京理科大学の小林宏教授の研究室が開発した人型ロボットSAYA。簡単な言語能力と6つの表情を持つこのロボットは、人間の“パートナー”や“アシスタント”として研究されているようです。人間とロボットが共存する社会も現実味を帯びてきているようです。
小林宏教授研究室:http://kobalab.com/




さて、既存の形状を少し見直すことで生まれるユニークなプロダクトから、
最先端テクノロジーを用いた未来のプロダクトまで、
デザインは変化を止めることはありません。

もはや現代社会は、人間の生活に必要なモノは十分過ぎるほど溢れていると言っても
過言ではないでしょう。
今後の人とモノの関係は、感情の面でより密接になる必要があります。
“愛着” のある関係を模索する中で、単なる表層的な美しさではなく、
人の心に近づくような “形状” や “機能” が創り出す新たな “カタチ” こそ、
あらゆるデザイン分野にとって不可欠な要素となります。


posted by グローカルネット at 10:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月13日

製品の感性価値創造

ものにおける感性価値の創造に関して、
先月「感性価値創造ミュージアム」が青山のスパイラルにて開催されました。
そのイベントから、いくつかご紹介させていただきます。

【感性価値トーク ― グエナエル・ニコラ氏】
プロダクトデザイナーであり有限会社キュリオシティ代表のグエナエル・ニコラ氏は、
ものにおける感性価値のキーワードとして、
「TIME(時)」・「EXPERIENCE(経験)」・「EXISTENCE(存在)」を挙げていました。
ストーリーを奏でる、体験してもらう、存在そのもの、という要素をポイントに、
それぞれの作品に独自の感性価値を創造しています。

ニコラ氏の作品事例:
IMG_0069.JPG IMG_0072.JPG IMG_0075.JPG
Disney mobile “DM001SH”
ディズニーのストーリー性を大切にし、実際に携帯を使うまでの過程、パッケージの段階からワクワクさせる世界観を演出している。徐々にミッキーが変化する!?
商品サイト:http://disneymobile.jp/product/dm001sh/index.html


1161029780-1.jpg 1161030292-1.jpg
PIVOT TOWER & PIVOT WAGON, CASSINA IXC
使っても使わなくても美しく見えること。日本の伝統的空間のフレキシビリティと美しさの要素が取り入れられているそうで、使う時には全く違う姿を見せるデザイン。
商品サイト:Cassina ixc. Design store


1151515487-1.jpg
YUSUI, KANEBO
まさに存在自体に感性をくすぐられるデザイン。それぞれ用途は違う商品だが、すべて揃えたくなるような新しい価値が生まれている。
商品サイト:http://www.kanebo-cosmetics.jp/yusui/


1232753646-1.jpg 1232766404-1.jpg
Lexus RX Museum
先月から2/15までお台場に出現したレクサスRXミュージアム。体験することで五感に働きかけるクルマの世界観が空間で見事に表現されている。
公式サイト:http://web-cache.stream.ne.jp/www11/dms-lexus/xover/museum/


CURIOSITY Web Site:http://www.curiosity.jp/


【感性価値ミュージアム】
ミュージアムには、伝統、共創、素材、技術、環境という様々なカテゴリーの感性価値作品事例が展示されていました。
wajima.jpg
Something to Touch:塩安漆器工房/石川県輪島市
伝統の輪島塗とモダンなスピーカーが融合。使わない時はオブジェのように、使う時には直接触れて台に設置する。普段は離れて使用するスピーカーに「触れる」というコンセプトを加えたデザイン。
商品サイト:http://mileproject.jp/stt/


hono.jpg
METAPHYS hono
ロウソクの炎の揺らぎをLEDで再現。マッチで擦ると点灯し、息を吹きかけると消える仕組み。単なるキャンドルを超えて感性に訴えるデザイン。
商品サイト:http://www.metaphys.jp/product/interior/archives/200804168.php


toyota-iq.jpg
TOYOTA iQ
小型で高性能、トップレベルの環境性能、3メートルに満たない全長で4人乗りが可能、そしてなんと言っても愛らしいデザイン。コンパクトカーの新しい形を提案。
商品サイト:http://toyota.vo.llnwd.net/e1/toyota/iq/10/index.html


その他イベント詳細:感性価値創造ミュージアム



機能、信頼性、価格という基本的な要素に加えて、
作り手の思いと使い手の感性が合わさった時、ものに「感性価値」が生まれます。
そのものは時が経つにつれて使い手に愛着を生み、単なる物以上の存在となります。
「感性価値」、それはものづくりの現場で昔から育まれていたものですが、
現代のような社会状況の中で改めて見直すべき重要な価値といえるでしょう。
posted by グローカルネット at 11:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月15日

ユニバーサルデザインの現在

いま「ユニバーサルデザイン(UD)」とはどのような意味を持つのでしょうか。
これまでは一般に障害者向けのバリアフリーと混同されがちでしたが、
ユニバーサルデザインとはさらに概念を発展させたものであり、
要するに老若男女の違い、障害・能力の程度の違い、文化や言語、国籍の違いなどのあらゆる差異を考慮したうえで、「出来るだけ多くの人が利用可能なデザイン」ということです。
参考:バリアフリーデザインとの違い−東芝のユニバーサルデザイン

こういったユニバーサルデザイン実現への姿勢は、
近年様々な分野の企業の取り組みや宣伝に見られます。
各企業それぞれの製品分野に応じた独自のユニバーサルデザインコンセプトを定め
研究開発がされている点には、とても興味深く感じました。
いくつかご紹介させていただきます。

【製品】
パナソニック株式会社
panasonic.jpg
創業以来ユニバーサルデザインの考え方が受け継がれてきたパナソニック製品。ななめドラム洗濯乾燥機やIHクッキングヒーターが有名ですが、その他のあらゆる商品開発にもユニバーサルデザインが取り入れられています。パナソニック社は、家電、AV機器、情報機器、住宅設備までトータルで商品提供出来るため、統一されたコンセプトが非常に強みとなります。
パナソニックのユニバーサルデザイン:http://panasonic.co.jp/ud/index.html


三菱電機株式会社
mitsubishiud.jpg
家電以外にも産業システムを幅広く手掛ける三菱電機のユニバーサルデザイン。トレインビジョンやエレベーターが有名。研究開発の段階からユニバーサルデザインを全社で推進する体制を整えるため、独自に製品開発時のUD目標基準を設定する「UDチェッカー」を開発したそうです。こうした社を挙げて明確に取り組む姿勢は、消費者にも届くことでしょう。
三菱電機ユニバーサルデザイン:http://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/randd/industrial_design/universal_des/index.html


トヨタ自動車株式会社
toyotaud.jpg
トヨタ自動車では、世界をリードする自動車メーカーとして積極的にユニバーサルデザイン推進に取り組んでいます。製品はもちろん、専用のホームページでは分かりやすく楽しんで見られるように工夫されています。また東京テレポート駅に隣接するメガウェブ内の「トヨタ ユニバーサルデザイン ショウケース」では、自動車の展示や試乗、ユニバーサルデザインを遊びながら楽しく体験出来るようになっています。
トヨタ ユニバーサルデザイン ショウケース:http://www.megaweb.gr.jp/Uds/


コクヨ株式会社
http://www.kokuyo.co.jp/eco_ud/ud/

花王株式会社
http://www.kao.co.jp/corp/rd/life/life_04.html

オムロン株式会社
http://www.omron.co.jp/corporate/csr/society/02_universal.html

キューピー株式会社
http://www.omron.co.jp/corporate/csr/society/02_universal.html

【空間】
totoinax.jpg
日本を代表するトイレ・バス・キッチンメーカーである2社は、共にユニバーサルデザインへの取り組みが先進的です。独自の研究方法に基づき、“空間”を提供するという考え方です。
TOTO:http://www.toto.co.jp/ud/index.htm
INAX:http://www.inax.co.jp/ud/concept/consultation.html


株式会社ゆりかもめ
yurikamome.jpg
空間という意味では、公共の場である駅などのユニバーサルデザインの必要性は、今では広く認識された考え方となっています。
http://www.yurikamome.co.jp/contents/hp0015/index.php?No=5&CNo=15


【UD研究機関】
カラーユニバーサルデザイン機構:http://www.cudo.jp/
ユニバーサルデザイン・コンソーシアム:http://www.universal-design.co.jp/
ユニバーサルファッション協会:http://npounifa.deca.jp/html/


このような企業の取り組みを見ていくと、
今後の製品開発には「ユニバーサルデザイン」に対する考え方が
基本的な要素として含まれるようになることが明確に分かります。
ユニバーサルデザインが当たり前となる時代に向けて、
今後も各分野で研究開発が進んでいくことでしょう。
posted by グローカルネット at 15:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

より広義なユニバーサルデザインへ

そして、21世紀のユニバーサルデザインはどう変化していくでしょうか。
改めて「共通」なものに目を向けることが大切になります。
日本人、日本という認識ではなく、人間、地球という認識が必要です。
そいうった意味で「ユニバーサルデザイン」は、より広義なものへと発展します。
「感性・価値観のユニバーサル化」に伴い、あらゆるデザインに反映されていくのです。

【オフィスのユニバーサルデザイン】
共通という意味では「仕事」は世界共通に存在するものであり、
それに伴う人々の感情やオフィス環境にも共通点は必ず存在します。
「疲れた」「快適」「働きやすい」、こういった感情は世界共通なのです。
そして、オフィス環境の整備が社員のモチベーションや仕事効率アップにつながる、
という考え方も、世界的に拡大してきているようです。

Google
google.jpg
参考:http://www.metropolismag.com/story/20060619/behind-the-glass-curtain
世界的に有名なGoogle本社のオフィスですが、これはそもそもオフィス空間をクリエイティブな活動を行うため、そして働くという概念自体をリラックスしたものに変えるために長い構想を経て完成したものだそうです。色使い、開放感、遊びとリラックスの場、カフェテリアなど、様々な工夫がされています。Google社では世界共通にこういったオフィス環境を設けており、驚きはこちらのスイスオフィス→
参考:http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080319_zurich_office_photos/
ぜひ一度お邪魔してみたいものです。


KOKUYO
kokuyoo.jpg
コクヨではオフィスの使い方によって、従業員のやる気、生産性、そしてエコまでも向上させることに成功しているようです。会社としてオフィス環境に関する調査を行い、「同じ席には2時間まで」「疲れたらプラネタリウムで休憩」など斬新な方針によって、オフィス環境に工夫を取り入れています。
参考:http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0807/14/news098.html, http://www.kokuyo.co.jp/press/news/20060825-603.html


Samantha Thavasa
samantha.jpg
現代のオフィスに共通すること、それは女性の活躍です。女性にとって、生活の大きな部分を閉めるオフィスのユニバーサルデザインとは?
サマンサタバサでは、2007年11月より社内に託児所「Thavasa Room」をオープンしたようです。女性のライフスタイルを提案するブランドとしての立場、女性が全体の9割を占めるオフィス、今後のオフィス環境を考えるうえでポイントになりそうです。


【感性とユニバーサルデザイン】
ユニバーサルデザインをバリアフリーの延長上と捉えることから離れ
より広義に考えると、人間の感性との関係に辿り着きます。
文化の違いはあれど、デザインが創造するユニバーサルな新しい価値とは
その点にある気がします。

kansei.jpg
ものへの開発に込めた「思い」と、消費者が感じる「楽しさ」「愛着」などの感情。
「感性価値」とは「ものづくりの新たな価値軸」、
そうユニバーサルデザイン総合研究所の赤池氏は話します。
2009.1.23-28の期間、青山のスパイラルガーデンで開催される「感性価値創造ミュージアム」は、そういった視点で今後のものづくりを見つめているようです。
詳細:http://www.kansei-kachi.com/interview/index.html

【エコロジーとユニバーサルデザイン】
また、今後のものづくりにはエコロジーへの配慮が不可欠です。
これは、世界共通の価値観であり、新時代のユニバーサルデザインの定義に含まれるものとなります。
既に世界の各メーカーでは、エコロジーとユニバーサルデザインに対する取り組みを同時に進めています。
デザインでは特異な分野に当たるファッション業界ですが、
世界ではエコロジーに配慮した新素材の開発が進んでいます。
今後ファッション業界にも、独自のユニバーサルデザインへの考え方が
生まれるかもしれません。




今回取り上げた「ユニバーサルデザイン」
一見すると、ユニバーサルデザインの定義がひどく曖昧なものに変化したようにも感じます。
しかし、これこそがさらに発展したユニバーサルデザインの姿でしょう。
感性や価値観などユニバーサルな「共通点」に着目し、新しい価値の創造、
人間の生活をデザインするという考え方が基本となります。
そうなれば、人々のライフスタイルは豊かなデザインで彩られたものとなるはずです。
posted by グローカルネット at 15:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月15日

伝統色のすすめ

rouge.jpg rose.jpg orange.jpg brun.jpg jaune.jpg vert.jpg bleu.jpg violet.jpg blanc.jpg gris.jpg noir.jpg
並んだ色たち。
赤、桃、橙、茶、黄、緑、青、紫、白、灰、黒...

一見そう見えますが、実は違います。
それぞれ、
Rouge(ルージュ)、Rose(ローズ)、Orange(オランジュ)、Brun(ブラン)、
Jaune(ジョーヌ)、Vert(ヴェール)、Bleu(ブルー)、Violet(ヴィオレ)、
Blanc(ブラン)、Gris(グリ)、Noir(ノワール)です。
これらは、フランスの伝統的色彩です。

先日、ピエ・ブックス様より、現在は共立女子短期大学名誉教授である城一夫様著の、
一冊の書籍を蔵書いただきました。

タイトルは、「フランスの伝統色」

この本を拝見させていただいて、改めてその土地の歴史や文化が反映された
「伝統色」という色の魅力を感じることとなりました。
その魅力とは、それぞれの色合いと色に付けられた名前から、
その背景にある何かを感じさせることだと思います。

まず、いくつかを引用してご紹介させていただきます。
※実際の色味とは違って見える場合があります

bourge.jpg
rouge-de-bourges.jpg
(上)ルージュ・ドゥ・ブールジュ−ブールジュ大聖堂の赤
marie-ant.jpg rouge-de-dior.jpg
(左)マリー・アントワネット−王妃マリー・アントワネットのピンク
(右)ルージュ・ディオール−ディオールの赤


hermes box.jpg
orange-hermes.jpg
(上)オランジュ・エルメス−エルメスのオレンジ
beige-chanel.jpg chocolat.jpg
(左)ベージュ・シャネル−シャネルのベージュ
(右)ショコラ−チョコレート


himawari.jpg
jaune-de-provence.jpg
(上)ジョーヌ・ドゥ・プロヴァンス−プロヴァンスの黄
champagne.jpg macaron.jpg
(左)シャンパーニューシャンペンの色
(右)マカロン−お菓子のマカロンの薄茶


aoringo.jpg
pomme.jpg
(上)ポム−リンゴの緑
vert-empire.jpg petrole.jpg
(左)ヴェール・アンピールーナポレオン皇帝の緑
(右)ペトロール−石油の青


cotedazur.jpg
bleu-de-cotedazur.jpg
(上)ブルー・ドゥ・コート・ダジュール−コート・ダジュール・ブルー
bleu-de-monet.jpg myosotis.jpg
(左)ブルー・ドゥ・モネーモネのブルー
(右)ミヨゾティス−忘れな草色


picasso.jpg
bleu-de-picasso.jpg
(上)ブルー・ドゥ・ピカソ−パブロ・ピカソの青
bleu-de-napoleon.jpg bleu-nuit.jpg
(左)ブルー・ドゥ・ナポレオンーナポレオン皇帝の青
(右)ブルー・ニュイ−ナイトブルー


fauchon.jpg
rosedefauchon.jpg
(上)ローズ・ドゥ・フォッション−フォッション・ピンク
rose-saint-laurent.jpg bordeaux.jpg
(左)ローズ・サンローランーイヴ・サンローランのピンク
(右)ボルドー−ボルドー酒の赤紫


それぞれの色が、フランスという国の長い歴史や文化の中から
誕生したものなのでしょう。
芸術家や皇帝、地域の風景、ブランド、食品、自然、
あらゆるところから色のインスピレーションを得て、
人々によって受け継がれてきたのです。

おもしろい点は、文化によって色の捉え方が違うことです。
例えば、フランスでは林檎を緑に、石油を青に分類しています。
こういった認識の違いも、伝統色の良さかもしれません。

そして、何といっても色の名前が魅力的です。
“Myosotis−忘れな草色”
色だけ見ても伝わりにくい部分が、色名と合わせて捉えると、
悲しい恋を思わせる色に変化するのです。

【書籍詳細】
「フランスの伝統色」 著者:城一夫 発行:ピエ・ブックス 初刊:2008.11.23
http://www.piebooks.com/search/detail.php?ID=1085

また、以下のような世界の国々の伝統色を紹介するサイトもありました。
http://www.nicopon.com/iro/dento.html

もちろん、私たちの日本にも長い歴史が培った伝統色が存在します。
“小豆色”、“山吹色”、“江戸紫”、“群青色”
簡単にピックアップした色名だけでも、イメージが思い浮かびます。
それは、私が日本という文化で育ってきた証なのでしょう。



世界には、それぞれの国や文化の数だけ「伝統色」があるはずです。
同じ“ブルー”という表現でも、数え切れないほどの“ブルー”が世界には存在します。
そして、その1色1色に、壮大な物語が染み込んでいるのかもしれません。

グローバルな現代社会において、
色は世界共通の言語とも呼べるツールです。
自国の伝統色はもちろん、他の国の伝統に敬意を払いつつ、
素敵な物語を感じさせる色を借りてみても良いかもしれませんね。
posted by グローカルネット at 10:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月17日

自然から抽出する

まず、自然や周囲の環境の中に存在する色や素材を抽出してデザインに用いるという、
おもしろい試みが見られます。

【カラーハンティング ブラジル】
2008.10.22〜2009.1.12の期間中、東京都現代美術館で開催されている
藤原大+イッセイミヤケクリエイティブルーム&カンパナ・ブラザーズによる企画展
「カラーハンティング ブラジル」。
http://www.bh-project.jp/jpn/event/data/color_hunting2008

“カラーハンティング”、初めて聞く言葉でしたが、
つまりは“色を捜し求める”ということ。
その舞台に選ばれたのが、スケールの大きな自然と急速な経済発展に
注目が集まっているブラジルという国でした。

藤原大+イッセイミヤケクリエイティブルームの試みは、
アマゾンの大自然の中に存在する色を直接採取し、デザインに用いるというものです。
会場には、アマゾンの葉や木、土、川から色を採取する様子や、
その採取した色で染色した新しいテキスタイル表現が展示されています。
colorhunt.jpg

イッセイ・ミヤケの最新SS09パリコレクションの作品にも、
そのコンセプトが反映されているようです。
issey.jpg
参考:http://www.afpbb.com/fashion/3531522

また、周囲の環境に目を向ける斬新なアイデアとして、
リオ・デ・ジャネイロの街で撮影した写真を回転させて得られた
ストライプ柄でテキスタイルをつくる、という新しい手法も紹介されていました。
stripe.jpg


ブラジル出身のカンパナ・ブラザーズは、プロダクトデザインにおいて、
サンパウロやリオ・デ・ジャネイロのストリートの日常風景に溢れる色や素材を
独自に抽出して、手仕事で作品を創り出しています。
sushi4.jpg sushi.jpg

最後に、この企画展の中に「植物が音を伝える」という自然の機能を取り入れた
体験型作品も展示されていました。

leaf.jpg
この「ジャングルフォン」という展示は、カークリコという植物を差し込むことで、
葉がスピーカーのように音を伝えるというものです。
実際に2枚の葉の間に頭を入れると、葉が両側にあるスピーカーのように音を伝え、
1本抜き取ると片耳からしか音が聞こえなくなります。
新しい自然の機能を知ることが出来た、斬新なアイデアでした。



これらのように、自然、または周囲の環境に改めて目を向けて、要素を抽出し、
そして実際のデザインに落とし込む。
そのような試みは、当たり前のようで逆に
現代社会の中で忘れがちだったアイデアかもしれません。
また、そのように「ありのまま」を表現したデザインは、新鮮かつ
生命力溢れるものであり、人々の感情に訴えかけるパワーを持つように思います。

そういった意味で、改めて自然や周囲の環境を見渡してみると、
私たちの暮らす日本には豊富なアイデアが溢れているのかもしれません。
四季、伝統、都市、ストリートカルチャーなど、
世界に誇るアイデアの宝庫ではないでしょうか。

himeji.jpg hurano.jpg nikko.jpg sirakawa.jpg
姫路            富良野           奥日光           白川郷

tokyonight.jpg
東京
posted by グローカルネット at 11:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

新しい自然の姿を創出する

次に、自然界の原理を取り入れ、新しい自然の姿を創出するという
興味深い試みを取り上げます。

【セカンド・ネイチャー展】
2008.10.17〜2009.1.18の期間中、東京ミッドタウン内 21_21 DESIGN SIGHTで
開催中の、吉岡徳仁氏ディレクション「セカンド・ネイチャー展」。

secondnature.jpg
http://www.2121designsight.jp/schedule/second_nature/outline.html

コンセプトは
「記憶から生み出される第2の自然、デザインの未来を考える。」
ということで、自然の原理そのものをデザインに取り入れる実験的な提案です。

<吉岡徳仁氏のメッセージ>
 ・同じ物は二つとなく、二度と再現できない自然の姿は、
  それだけに神秘的な美を備え、人々を魅了する
 ・目にした人々各自が体験してきた自然現象に重ねあわせるようにしながら、
  喚起される新たな自然の姿
 ・デザインとは、かたちを得ることで完成するものではなく、
  人の心によって完成するものではないか。
  自然の原理やその働きを発想に取り組むことが、デザインの今後に大切になる

この展示会では、まず会場に入った途端、不思議な感覚に包まれます。
空間全体を包み込む雲のようなインスタレーション、
その下に並ぶまるで生きているかのような結晶の産物。

この“結晶の椅子”は、特別な成分の入った溶液を張った巨大な水槽の中に、
柔らかなポリエステル繊維の塊を入れ、それに結晶が構造をつくり
徐々に成長していく、という過程で生まれるものだそうです。

chair2.jpg chair3.jpg chair4.jpg chair5.jpg
参考:http://architecturephoto.net/jp/2008/10/post_1113.html

この空間と作品を見て、私の記憶から生まれた自然の姿は、
少年期に初冬の山でキャンプをした時にたちこめた霧と、大地を覆う雪の、
息を呑む美しさでした。
この空間には、肌に感じるような冷気も、そして自然だからこそ生まれる
神秘的な美しさも漂っていました。

また、同会場では国内外8組のクリエーターの作品も展示されており、
いずれも自然そのものを取り入れた作品です。

cristalina.jpg leafman.jpg
(左)カンパナ・ブラザーズによる「Cristalina(クリスタリーナ)」
藤素材で編んだ椅子の中に、さらに「事務所前にふと倒れていた木」を組み込んだ、
独特の形状をした作品
(右)フラワーアーティスト東信による「LEAF MAN」
自身の夢に登場するという、植物に体を覆われた「葉っぱ人間」。
本物の植物で創られており、会期中に成長して生け方が変わるかもしれないとのこと



自然そのものを取り入れたこれらの作品は、
体験した人々それぞれに、新しい第2の自然を感じさせてくれるはずです。
ぜひ、訪れて体感してみてはいかがでしょうか。
また、自然界の生物のように成長し、変形するデザイン、
そんな未来がやってくるのかもしれません。


新しい自然の表現として、カルランも注目するアーティストの一人が
Olafur Eliasson(オラファー・エリアソン)です。
彼の作品は、気候、光、温度など、自然界の現象を空間で表現し、
鑑賞者に直接体感させ、自然とテクノロジーの関係や
周囲の環境への意識を探ろうとする試みです。

OlafurEliasson_TheWeatherPr.jpg OlafurEliasson_Waterfall.jpg
(左)2003年ロンドンのテート・モダンで開催した「The Weather Project」
(右)2008年ニューヨーク各所に設置された「New York City Waterfalls」
Official HP: http://www.olafureliasson.net




今回取り上げた「自然界とデザイン」の関係。
デザイン(意匠)というものを考えていく際に、自然界から得られるアイデアは
非常に重要なポイントとなります。
人間が自然の力を超えることはあり得ません。
自然の恵みを取り入れる、自然や周辺環境に合わせるデザイン。
今後、エコロジーとデザインの未来にも関わってくるテーマでもあります。
自然の原理と最先端テクノロジーが結び付けば、
今後の社会を変えるほどの可能性を持ったデザインが誕生するでしょう。

そして、単純ですが、私が今回のような作品を見ることが出来てまず感じたのは、
純粋に「自然」だけが持つ神秘的な美しさに対する驚きと、
視点を変えて周囲の環境を見ることで発見出来る新たな魅力でした。
選びきれないほどの様々なデザインが溢れた現代社会において、
自然や身近な環境の新しい一面を感じさせてくれるデザインは、
人々の感情にまっすぐに響くものになると感じます。
posted by グローカルネット at 10:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月28日

黒の表情

最近気になったいくつかの黒の表情をご紹介していきます。

【黒い宝石】
まるで、黒く輝く宝石のようなデザインです。
その輝きは、可愛らしさも持ちつつエレガントであり、そして自己主張する表情です。
素材やフォルムとの相性が抜群ですね。

htc_touch_diamond_1.jpg  iphoneb.jpg   absolut.jpg
(左)Touch Diamond by HTC:http://www.htc.com/jp/product.aspx?id=60162
台湾の携帯電話メーカーHTCが発売したタッチパネルモバイル。急速に成長しているメーカーで、Windows Mobileや次世代のAndroidを搭載したPDAやスマートフォンを世界各国で発売している。
こちらのモデルは、日本ではイー・モバイルより発売中。バックのデザインが光を受けて
輝くダイヤモンドのよう。
(中)iPhone by Apple:http://www.apple.com/jp/iphone/gallery/
言わずと知れたアップル社のiPhone。ソフトバンクモバイルより発売中。
丸みのあるフォルムとつるりとした質感が可愛らしい。
(右)ABSOLUT 100:http://absolut.com/
スウェーデンのウォッカブランドAbsolutの商品「ABSOLUT 100」。
高級感と存在感を放つボトルデザイン。



【漆黒】
決して目立とうとせず、しかし控えめな輝きをまとい、凛とした存在感を放つ
洗練された表情です。
“漆黒”と呼ばれるように、伝統と気品、高級感が漂っています。

prada.jpg  dsjet.jpg  mitsu kam.jpg
(左)PRADA Phone by LG:http://www.nttdocomo.co.jp/product/concept_model/l852i/topics_01.html
LG電子が発売したプラダフォン。日本ではNTTドコモより発売中。ボディの質感もそうだが、
レザーケースやパッケージ、アクセサリーにも高級ブランドの持つイメージが反映されている。
(中)Nintendo DS Lite:http://www.nintendo.co.jp/ds/lite/color/index.html
任天堂DSライト・ジェットブラック。
世界でも大ヒット商品のカラーバリエーションにはJET BLACK(漆黒)も。
(右)炭炊釜・漆黒 by 三菱電機:http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/suihanki/
三菱電機の炭炊釜シリーズの漆黒。炭のイメージをそのまま炊飯器のデザインに取り入れたモデル。



【マット】
光を受け付けず、見るものに吸い込まれるような感覚を与える、絶対的な黒。
シンプルで無駄がなく、無表情といってしまえばそうですが、
決して飽きさせないデザインです。

macbb.jpg skagen.jpg clarks.jpg clock0.jpg
(左)Macbook by Apple
Macbookのブラックモデル。まったく無駄のないデザインと確かな存在感。
先日アルミニウムボディの新モデルが発売されましたが、
いまだに以前のポリカーボネート素材のブラックが欲しいのは、わたしだけでしょうか。
(中左)SKAGEN Swiss:http://www.skagen.jp/003/sw_583_link.html
デンマークの時計ブランドSKAGENのSwissシリーズ。
時計は、黒でも輝きを持ったメタルなどが多い中で、一味違った質感の1本。
(中右)Clarks Desert Boot:
http://www.clarks.co.jp/Mens/Originals_00111763.shtml
イングランドの歴史あるシューズブランドClarks。
日本でも定番となったベージュのデザートブーツですが、ブラックスエードも魅力的。
(右)Wall Clock by ±0:http://www.pmz-store.jp/html/category/001/001/45/category45_0.html
深澤直人氏が手掛ける±0の壁掛け時計。針も本体も同色という、これまでになかったデザイン。
「針が落とす陰影で時を表す」という詩心が含まれた、オブジェのような作品。
特にブラックは、不思議な空間に吸い込まれるような感覚を受ける。
2008年メゾン・エ・オブジェにて、イギリスWallpaper誌が選ぶ「ザ・ベスト・プロダクト」を受賞。



【立体的な軽さ】
黒で立体感を表現すると重厚なイメージになるとばかり思っていましたが、
そうでもないようです。
逆に空洞や切り込みの入ったデザインが光と遊び、軽いのでは
とさえ感じてしまいます。
そして、黒いレザーが表現するエレガンスも同時に併せ持っている作品です。

jean1.jpg jean2.jpg
サルヴァトーレ・フェラガモと、フランス人建築家のジャン・ヌーベルがコラボレーションし、
2008年ミラノサローネで発表されたチェア「SKiN(スキン)」。
鉄の骨組みがレザーの座面をハンモックのように支えるデザインらしく、重さを感じさせない。



【ファッション】
こういった黒の様々な表情は、ファッションの世界でも見られます。
最新のSpring/Summer 2009コレクションでは、これまでにないバリエーション豊かな黒の表情を見せてくれました。
中でも、春夏シーズンに黒中心のコレクションを発表した
いくつかのデザイナー作品を取り上げます。

00010m.jpg 00160m.jpg 00200m.jpg 00270m.jpg
クリス・ヴァン・アッシュ: 光沢のある軽やかでスポーティな素材を用いて、ジャケットを主とした
シティ感覚のエレガンスを表現。


ysl1.jpg ysl2.jpg ysl3.jpg ysl4.jpg
イブ・サンローラン: 素材やシルエットのバリエーション豊かな、ドレスを中心とした極上のエレガンス。

com-1.jpg com-2.jpg com-4.jpg com-3.jpg
コム・デ・ギャルソン: 春夏シーズンのコレクションにすべて黒のスタイルを発表。
テーマはずばり「明日の黒」。球体のようなフォルムのドレスやナイロン素材など、
新しい黒の表現に挑戦した独創的でインパクトのある作品。



【コスメ】
コスメでも、黒をそのまま商品テーマにしたものが見られます。

cosb2.jpg cosb1.jpg
(左)ジバンシィの新作スキンケアクリーム「ソワン・ノワール」。黒い容器に黒いクリーム。
クリームの黒色成分は、太古の昔から深海に生息するプランクトンから抽出したそう。
ハイクラスのコスメの中でもインパクトのある商品。価格は39900円。
クリーム色よりクリーミーな印象を与える、新しい黒の表情。
(右)こちらも、ブルガリの新作香水「ジャスミン・ノワール」。
ミステリアスな空想の植物“黒いジャスミン”がテーマ。優しく妖艶な香りが魅力だそう。
ネーミングと香り、そして控えめなゴールドと重厚で滑らかな黒いボトルが、
うまく妖艶さを演出している。




さて、こうピックアップしただけでも、プロダクト、ファッション、食品、コスメなど、
様々な分野で個性豊かな黒の表情を見ることが出来ます。
そう考えてみると、「色の表情」は無限に生まれるのではないでしょうか。

黒だから暗い、黒だから重い、黒だから―、という概念やルールを取っ払ってみると、
それはそれは魅力的な新しい表情を見せてくれるかもしれません。


実はこうして書いているわたし自身、黒が大好きです。
これほど豊富な黒の表情が存在するとなれば、
今後「黒い―が欲しい!」と思い立っても、
そこから1つに決断するまでには相当頭を悩ませることになりそうです...(笑)
posted by グローカルネット at 12:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月13日

奇抜、やり過ぎ、自由

あらゆるデザイン分野で、「主張」は大きな意味を持ちます。
時には“奇抜”とか“やり過ぎ”と批判されることがありますが、
むしろ最高の賛辞だといえるでしょう。
誰の想像も及ばない“自由”な創造性の姿だからです。

DIOR Cruise/Resort Collections
cr08dio223.jpg cr08dio145.jpg   dio_nr09_061.jpg dio_nr09_004.jpg ©2008 STYLESIGHT.
Cruise/Resort SS08          Cruise/Resort SS09
クラシックなテイストにカラフルな色合い、度を超えた大きなディテールなど
斬新でインパクトのあるデザインです。

EDITH BOUVIER BEALE
エディス・ボウヴィエ・ビエール(1917-2002)は、アメリカの貴族階級出身であり、
社交界を生きた人物です。
edie.jpg
彼女とその娘は“エキセントリック”という言葉を体現するかのように、
子供のゲームさながら毎日自分のキャラクターを変えて、上流社会に君臨したそうです。
そして、その型にはまらない生き方は、様々なアーティストたちに影響を与えました。
2008年春夏のマーク・ジェイコブスのコレクションは彼女たちへのオマージュであり、
多くの風変わりな人格が表現されているようです。
jac_ss08_6762.jpg jac_ss08_6775.jpg jac_ss08_6787.jpg jac_ss08_6795.jpg ©2008 STYLESIGHT.
Marc Jacobs SS08 Collection

ALBER ELBAZ & DOVER STREET MARKET
ランバン(Lanvin)のアートディレクターを務めるアルベール・エルバス(Alber Elbaz)は、
自身のビジョンである“Trashy Chic(がらくたシック)”を奇抜な演出で表現しています。
川久保玲のコンセプトストアであるロンドンのDover Street Marketのディスプレイで、
“美しいカオス”というセットが展示されました。
dover1.jpg
dover2.jpgdover3.jpg
Dover Street Market



一般的にも、ルールやセンスの良し悪しを気にせず、
「自分」を主張する流れがそこかしこで見られます。

アメリカのSNSサイト「stylemob」はその良い例です。
mob.jpg
http://www.stylemob.com/
このサイトは、性別、国籍、年齢に関係なく誰もが参加でき、
それぞれ自分の外見を世界中に紹介します。
そして他の住人からコメントや評価をもらうというものです。
「これがわたしよ!」 「もっと見て!」
というように、他人とは違う自分をアピールしたい欲求が当然のように溢れています。
そして、こういったトレンドは間違いなく市場の多様化・細分化を生むことになるでしょう。



現代社会において、何が正しくて何が間違っているのか。
今回ご紹介してきたような強烈な自己主張は、一般的には受け入れられ難いものです。
世界のどこかで生まれ、そして消えていった多くの「主張」はそうなのかもしれません。
ただ、時に突飛な「主張」が世界を動かすのも事実です。

発想?勇気?エゴ?偶然?
どこからそういった主張が生まれてくるかは誰にもわかりません。

しかし、「わたしはわたし」
という自信と創造に満ち溢れた姿になること、またそんな姿に出会うことは
実は誰もが望んでいることであり、この混乱した現代社会において
決して“創造の芽”が絶えることはないでしょう。
posted by グローカルネット at 10:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月15日

“クロスジェンダー”によって生まれる現代的デザイン

現代の“性の交差(クロスジェンダー)”に見られるのは、
もう片方の性の要素を取り入れて、新しい概念を生み出していることです。

sikaku.jpgmaru.jpg
例えば、左の角張って重圧感のあるソリッドなイメージの立方体を
淡く軽い色合いで仕上げる。
また、右の丸く滑らかでソフトなイメージの球体に
深くマットな色合いで力強さを染み込ませる。
これは単なるイメージの話ですが、デザインにおいて相反する要素を
混在させることで、より自由で現代的な表現となるのです。

今回カルランがインターセクション(intersexion)というテーマの中で
とりあげたアーティスト作品に以下の2つがあります。
chairi.jpg bmw.jpg
(左)ドリフトデザインが手掛けた“ゴーストチェア”という作品。
「二重構造」というテーマでデザインされ、角張ったアクリル樹脂の中に
レーザーで幽霊のようなデザインを施しコントラストを表現しています。
(右)コープ・ヒンメルブラウが手掛けたミュンヘンのBMWウェルト。
BMW社のコンセプト「両面性」に沿って、滑らかな曲線美の中に
幾何学のシャープな要素を融合した超現代的デザインです。


これらのデザイン作品は、現代の変容する性のように、
あるものを一つの概念で捉えるのではなく、それらを超越した先にある
驚くべき融合の姿と言えます。
両性に対しての当たり障りのなさを意識して生まれるのではなく、
それらの概念を超えた発想から誕生するのです。

いま世界のあらゆる層に拡大しているiPodやニンテンドーDSといった商品には、
念入りな製作研究過程はもちろん、カラーやシェイプにそういった
発想・デザイン性が感じられます。
iPods.jpgDSs.jpg

男性向け、女性向け、ユニセックス、というより、
男性が見ても女性が見ても、また何歳の人が見ても、どこの国の人が見ても、
強烈に魅力的なデザイン性がそこには存在するのでしょう。
posted by グローカルネット at 11:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月18日

スイーツに見る食品トレンド

「食品+デザイン」、このようなトレンドが最も顕著に表れている
分野が「スイーツ」です。

つい先日はバレンタインデーでしたね。
毎年多くのチョコレートが発表されますが、様々なチョコレートを見ながら
ふと「これは本当に食べ物なんだろうか」と感じることがあります。
これまで自分の中にあったチョコレートという「食品」のイメージと
かけ離れていたからです。
アクセサリーのように身に着けたくなるものやオブジェとして
飾っておきたくなるもの。明らかに単なるチョコレートという
「食品」ではなく、人の感性をくすぐる付加価値をまとっていました。


最近、驚くほど魅力的なチョコレートの世界の話題です。

■ 21_21 DESIGN SIGHT 第1回企画展「チョコレート」
昨年4-7月に東京ミッドタウン内、21_21 DESIGN SIGHTが開催した
第1回企画展です。ディレクターであり日本を代表するプロダクト
デザイナー深澤直人氏が取り上げた題材は「チョコレート」。
「誰もが親しみを持つこの題材は、デザインの視点を提示するための
きっかけにすぎません」と述べられています。
インスタレーション、映像、写真、立体など、多彩な作品が展示されました。

21_21.jpg
この企画展には、現在カルランのケアデパートメントを担当する
フィリップも出展しました。まさに食品とデザインの新しい方向性を
示す試みではないでしょうか。
Official Site: http://www.2121designsight.jp/schedule/chocolate.html

■ ショコラの祭典「サロン・デュ・ショコラ」 in 伊勢丹新宿
1995年にパリで始まり現在では世界各国で開催されている世界最大の
ショコラの祭典「サロン・デュ・ショコラ」が、2008.1.23-28まで
新宿の伊勢丹で開催されました。
テーマは「ショコラを愉しむ」。世界の著名な職人たちが創り出す
驚くべきショコラは、まさに芸術作品と言えるものです。
chn11_rpt1121_roger_0.jpgchn11_rpt1121_aoki_0.jpgthumb_250_11_px250.jpg
パトリック・ロジェ/カラー 青木定治/ボンボン マキアージュ ハイヒールのショコラオブジェ

ここではファッションブランドとパティシエのコラボレーションで、
ショコラをモチーフにしたファッションアイテムも数多く発表されました。
関連サイト:http://www.afpbb.com/fashion/2552348


そして、チョコレートが持つイメージはその他様々な分野にまで
広がっています。
dc_lg.jpgrumion.jpg
左:NTT DoCoMo 発売のL704iモデル。LG電子ブランド「chocolate」のデザインを採用。
右:TOYOTA自動車「カローラ ルミオン」、2008年1-4月期間限定で発売されるボディカラー「チョコレート」


他にもチョコレートだけでなく「スイーツ」の持つイメージが
見事にファッションと融合した作品も見られます。

■ LOEWE meets PIERRE HERMÉ PARIS

スペインのラグジュアリーレザーブランド「ロエベ」と
パリの老舗「ピエール・エルメ・パリ」が、見事に
「ファッション×スイーツ」のコラボレーション商品を発表しました。

pierre.jpg
クリスマスギフトとして数量限定で発売され、すぐに完売したそうです。
ピエール・エルメのスイーツとロエベのブレスレットを1つの商品
として打ち出すアイデア、互いのブランディングイメージの発信は
見事に完成されています。
Official Site: http://www.pierreherme.co.jp/topics/

■ アクセサリーブランド「Q-pot」
2002年にスタートされたアクセサリーブランド「Q-pot」。
実際の食品ではありませんが、スイーツをモチーフにした心をくすぐる
ようなデザインでファンを獲得。現在は異業種とのコラボレーションで
さらなる人気を博しているようです。
QpotiPod.jpgQpotmaca.jpg
左:高島屋、アップル社と取り組んだ「Q-pot LOVES iPod」
右:パリのフォションと発表した「ラブマカロン&プチチャーム」

Official Site: http://www.q-pot.jp/


このようなスイーツに限らず「食品+α」という視点で見ると、
わたしたち日本人の食文化には昔から受け継がれる独特な「和」の
スタイルが存在するのかもしれません。
「和」といっても人によって捉え方は様々ですが、例えば食文化の場合、
「味+α」として心を満たす何かが伝統的な和食には存在するように思います。

■ 虎屋「和菓子オートクチュール」
創業なんと480年の歴史を持つ虎屋。
「和菓子の歴史は虎屋の歴史」「和菓子は五感の総合芸術」と
述べられている通り、日本を代表する和菓子メーカーです。
また日本の心を伝えるスイーツとして、パリやニューヨークでも
販売されています。
そのサービスの一環である「和菓子オートクチュール」。
なぜお菓子にファッション用語が組み合わさったのでしょうか。
それはお客様のデザイン要望を専門職人が完璧に表現するオリジナル創作和菓子。
お菓子そのものだけでなく、箱や器などすべてを提案するそうです。
torayahoute.jpgアーティストとのコラボレーション作品

ホームページには「お客様とご一緒に菓銘を考え、そしてその出来栄えを愛で、
喜びを分かち合う。これこそが、和菓子の原点です」
という言葉が書かれています。お客様の心を満足させる、まさに
「食品」という枠を超えたものづくりです。
Official Site: http://www.toraya-group.co.jp/index.html
posted by グローカルネット at 14:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月14日

新しいラグジュアリーデザイン

「究極のオリジナリティ」

最近では様々なブランドから
洗練されたオリジナルの商品が発表されていますが
もちろん個々のブランドによって
ターゲットとする人々は違います。

例えば、世界の富裕層は
これまでのような
ありきたりの高級感ではなく、
日用品にも「究極のオリジナリティ」
を求めます。

そのような人々をターゲットに、
世界一のシェアを誇る携帯電話メーカーNokiaは、
最高級ライン「VERTU(ヴァーチュ)」
を発表しています。

VERTU(ヴァーチュ)

コンセプトは「通話の出来る貴金属」。
価格は日本円に換算すると
数百万円以上から。
またボタンひとつで、いつ何時でも
コンシェルジュに繋がる
サービスも付くそうです。

最近、こういった富裕層向けの
「究極のラグジュアリー感」を
まとった商品が話題となりました。

英ロンドンの高級百貨店ハロッズでは、
「ダイヤモンドを散りばめた犬の首輪」
を公開しました。
価格は約1億1300万円。
(詳しくはこちら

ロサンゼルスオートショーで発表された、
模造ダイヤモンド装飾のメルセデス。
(詳しくはこちら

今後こういった流れは、
究極のオリジナリティを追及する
富裕層をターゲットとする
多くのブランドなどで
展開されていくことが予想されます。

posted by グローカルネット at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする