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2011年12月14日

拡張現実−AR広告が楽しい!

スマートフォンの普及によって、最近ぐっと身近になってきた拡張現実。カルランでも、この技術にかねてから注目してきました。

拡張現実(かくちょうげんじつ)とは、現実の世界を映した光景や映像に、デジタル情報を重ねて、現実の知覚体験をわかりやすく補足、拡張する技術のことです。英語のAugmented Reality(拡張された現実)の頭文字をとってARともよばれ、スマートフォンのカメラで撮影したものに、関連した情報を重ね合わせて表示するアプリケーションソフトが提供されたことなどで、一気に広まりました。地図上に必要な情報を表示できる道案内のアプリケーションをはじめ、ゲーム、観光地や美術館・博物館などの案内、スポーツ中継など、幅広い分野での応用が進んでいます。

コンピュータで映像、音声などを作成し、全くそこには存在しないものを仮想的に体験させる「バーチャルリアリティ(VR、仮想現実)」とは反対の概念で、「拡張現実(AR)」は、そこに存在するものをより深く知覚させるための技術ということになります。

それでは、実例をいくつかご紹介しましょう。

高級ジュエリーを自宅で気軽にお試し!?

まずは、ジュアリーブランドのBoucheron(ブシュロン)の事例です。
これまでラグジュアリーなブティックの敷居をまたぐことに、ためらいを覚えたたことはありませんか?こちらは、ブティックに足を踏み入れることなくBoucheronのコレクションを試すことができるという、画期的なアプリケーション、「My Boucheron」です。まず、ウェブサイトから時計や指輪の切り抜きをプリントアウトします。そしてその切り抜きを身に付け、ウェブカメラを通してコンピュータ画面に映し出すと、切り抜きが本物のジュエリーには早変わり!自分自身が本物のBoucheronの腕時計をしている姿をスクリーンで見ることができるのです!

ブシュロン3.jpg

コレクションの中から様々なモデルをつけてみることができ、より身近にBoucheronの魅力を実感できます。
本当に?と思われた方、ぜひ実際のサイトをご覧ください。きっと試したくなりますよ!
http://www.myboucheron.com/myboucheron-augmented-reality-int_EN.html

ブシュロン2.jpg

ラグジュアリーブティックでいろいろ試すのは、一般の人々にとってはやはり勇気がいるもの。実際に試着することには替えられないとしても、このテクノロジーによって、店に行くことなく、遠慮なく商品を試し、着用したときの様子を知ることができるという安心感を顧客に提供しています。拡張現実は、ブランドの世界観を訴求することも可能な手法と言えるでしょう。


高速走行を紙面で体験!?

メルセデス・ベンツは紙面広告で新車種のダイナミックな走りを読者にアピールすることに成功しました。実際に試乗できなくとも読者にテストドライブしてもらう、それを実現させたのが拡張現実の手法でした。こちらは、南アフリカで展開された、メルセデス・ベンツの紙面広告です。高速で走る新車種CL 63 AMGの車内からフロントガラス越しに見た、流れるような景色が描かれています。これでも高速感を感じ取ることはできますが、メルセデス・ベンツはここに体験を加えました。
ベンツ.jpg
バックミラーを良く見ると、「What does 400 kilowatts of power feel like? (400キロワットのパワーってどんな感じ?)」の文字が。そして、スマートフォンをここに置いてウェブサイトにアクセスするよう指示が書かれています。
ベンツ2.jpg
ウェブサイトにアクセスすると、スマートフォンに車体の後側の風景が映し出されます。つまり、スマートフォンがバックミラー代わりとなり、そしてそこにはどんどん引き離されていく後続車の姿が!CL 63 AMG の走りがどれだけ早いのか、実感できるのです。
動画はこちら: http://www.youtube.com/watch?v=hcVcUNoE2jw&feature=player_embedded#!

紙面そのものを動かすことは不可能ですが、バックミラーとスマートフォンの形が似ていることを上手く利用し、紙面と一体化させることで実現した、非常にユニークなAR広告です。


店頭販売にARを導入!

日本でも大人気のLEGOをはじめ、創作おもちゃを選ぶとき、出来上がりがどうなるか気になるところですよね。LEGOはここに目をつけて、アメリカのショップで拡張現実のサービスを展開しています。スクリーンに箱をかざすと、出来上がりの様子が3Dで浮き出して見えるというもので、箱を開けることなく事前に仕上がりを確かめることができます。商品が浮き上がって見える様子に、子供たちも大喜び!店頭販売にARを用いた、まだまだ珍しいケースです。
動画はこちら: http://www.youtube.com/watch?v=PGu0N3eL2D0&feature=player_embedded

そして最後に、特に遊び心満載なLEGOの屋外広告を番外編としてご紹介します。

LEGO 1.jpg

バス停の側面など、屋外に作られたもので、建物や木の枝までも、見事に実物とマッチしています。これらの絵がすべてLEGOブロックで作られているというから驚きです!遠くから歩いてきてびっくり、そして近くで見てブロックで出来ていると気付いてさらにびっくり!背景を見事に取り込んだ躍動感あふれる非常に楽しい広告です。デジタルではありませんので、本来のARの定義とは異なってしまいますが、デジタルではないからこその驚きが広がり、LEGOブロックの更なる可能性も表現しています。きっとファン獲得に一役かっていることでしょう。

LEGO 2.jpg

LEGO 3.jpg

拡張現実は、顧客に疑似体験や楽しみを提供できる有効な広告手段として、また、便利なアプリケーションとして、今後もどんどんその可能性を広げていくでしょう。ビジネスにおいても、そこにないモノを使ってプレゼンするなど、ARを有効に活用できます。エンターテイメント性とビジネスをうまく組み合わせて顧客を取り込むことが、今後ますます重要になりそうです。



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2009年05月11日

賑わう市場: 消費者心理の変化と需要

ものを売る立場ではなく、一人の一般消費者目線に立って考えてみると、
現在の状況は大変よく理解できるのではないでしょうか。
要するに、「これで十分じゃないか」 ということです。
そういった需要に応える市場は、いま大変な賑わいを見せています。

【アウトレットの現在】
一昔前までは“アウトレット”と聞くと売れ残りや傷物というイメージがありましたが、
現在のアウトレットとはそんなものではありません。
新品かと見紛うくらいの品質、思わず買ってしまう価格設定、
そして買い物を楽しくさせる空間演出など、
“アウトレット”自体が消費者の心を掴む巨大な市場となっています。

チェルシー・ジャパン株式会社
gotenba.jpg 御殿場プレミアム・アウトレット
5/4のテレビ東京「カンブリア宮殿」では、日本最大のアウトレット開発・運営企業である
チェルシー・ジャパン株式会社社長、吉村氏との対談内容が放送されました。
そこで聞く“アウトレットの現在”は驚くべきものでした。
各ブランドがアウトレットに回す商品とは、一見分からないくらいの微かなシワや箱の傷みなど、
消費者が気付かない程度の違いだけで、定価からかなり割引されて販売されるのです。
もちろんシーズン遅れの商品もありますが、ブランドによってはアウトレットをビジネスの柱と捉え、
直接アウトレット向けの商品開発を行っているものもあるそうです。
また、ブランドイメージを落とさないために、商品ディスプレイをブティックと統一するなど、
ブランドと連携した商品販売を行っているのです。
消費者の立場として「これで十分じゃないか」と、こぞってアウトレットに人が集まるのも納得出来ます。
そして、アウトレット出店の戦略として、立地は都心から車で約90分。
つまり、立地が悪いのではなく、買い物客に「小旅行」「日常から離れたワクワク感」を与えるための
緻密な戦略なのです。
そのため現在では、若者だけでなく中年層や家族連れも多く訪れます。
また、アウトレットの出店に伴い、観光客の大幅な増加など
地域経済の活性化という役割も担っています。

現在、チェルシー・ジャパンは、栃木県佐野に続き、
今年7月に茨城県阿見町にプレミアム・アウトレットオープンを発表しました。
今後の動向にも注目です。
チェルシー・ジャパン
カンブリア宮殿


YOOX.com
yoox.jpg YOOX.com
イタリア発のネット・アウトレット「YOOX.com(ユークスドットコム)」。
2000年にイタリアでサービスを始め、2005年に日本版が登場。
現在では超高級ブランドを始め、600ものブランドを扱っているそうです。
商品はブランドと連携して直接仕入れ、専属のカメラマンが商品の見せ方にこだわって撮影、
価格はほとんどが定価の半額以下で販売され、オンラインでいつでも購入可能。
世界中の消費者を虜にするのも無理はありません。
「不況時こそ品質にこだわる」というCEOの言葉通り、品質も厳選されています。
多くのブランドが売れ残り在庫の処理に苦悩する中で見つけた新たな市場であり、
ブランド側と消費者の双方に利益のある関係が生まれたのです。
YOOX.com


【ブランドレンタル】
“ブランドレンタル”、最近になって耳にするようになった言葉です。
ブランド品をレンタルする、という選択。
ブランド品に対する憧れはあるが高くて買えない、買ってまで使う必要性がない、
という消費者の状況に気付いて生まれたものです。

Cariru

cariru.jpg Cariru
最近、様々なメディアに登場しているCariru(カリル)というサービス。
文字通りブランドバッグ&アクセサリーを借りることが出来るサービスです。
購入すれば云十万円もする商品を、必要に応じてレンタル出来るのです。
期間も設定することが可能で、価格は0〜30000円とニーズに合わせて選べます。
Cariru


【リサイクル販売】
“リサイクル”と聞くと、回収して分解して再度製造し直すというイメージがありますが、
単に使い終わったものを集めて再販売することも“リサイクル”です。
これまでのオークションやBOOKOFF, Amazonなどの様々なサービスに見る
“中古品”販売市場の賑わいを見ても、明らかに需要は存在します。
先に述べた“古着”という販売形態は、もはや世界的に広まっています。
こうした市場は現在のような不況下、そして環境への意識が高まった社会において、
今後世界的に注目されるビジネスモデルとなることでしょう。
MSN: リサイクル古着DonDonDown on Wednesday 記事



現在、このようないくつかのビジネスモデルは、消費者の需要にうまく適応しています。
また、ブランドの在庫やエコロジーとの関係を考えても非常に有効な市場です。
たまたまファッション分野の事例を取り上げましたが、
このようなビジネスモデルは家具、家電、食品に至るまで、
様々な分野で進んでいます。

そして、背景にあるのが消費者心理の大きな変化です。
現代の消費者心理を満たしている事例として、
世界的に認知されたUNIQLOやMUJIが挙げられるでしょう。
以下、印象的な記事でこの2社のコンセプトを感じることが出来ます。
無印良品「水のようでありたい」
朝日記事:ユニクロ&ジルサンダー


つまり、現代の消費者たちは「最先端」「最新」「高級」「新品」を追い求めるよりも、
「安価」「個性」「品質」を満たしたうえで、「これで十分」という結論に至るのです。
社会の動きを見極め、商品の供給側と消費者の需要との関係がマッチすれば、
そこに普遍的な価値とビジネスサイクルが生まれそうです。


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2009年02月13日

感性価値創造マーケティング

ただし「感性価値」は、受け手、つまり消費者に伝わらなければ生まれません。
そのため「感性価値創造」のためには、企画・製造から販売・現場まで
一貫した体制やマーケティングが必要になります。

感性価値を創るマーケティングに関する小阪裕司氏著の書籍に、
おもしろい事例が載っていますので、簡単にまとめていくつかご紹介します。

【便秘薬とおにぎりの事例】
・ゼリア新薬工業の便秘薬「ウィズワン」
withone.jpg
商品の品質に絶対の自信を持っていた中で、商品の成分、ネーミング、パッケージを一切変えずに、売り場のキャッチコピーだけを変更。「純植物性便秘薬」から「うんちどっさり」へ。発売以来11年間売上高がほぼ変わらなかった商品が、4年間で5倍以上に急成長。
ゼリア新薬工業:http://www.zeria.co.jp/


・おむすび銀座「十石」
jukkoku.jpg
こちらも味と品質に絶対の自信がある鮭おむすびを、1個280円で販売。おむすびとしての“高級さ”が売り場でインパクトを与え、確かな味で顧客を獲得。また売れ行きが伸びなかった南蛮味噌味のおむすび、商品名を「南蛮味噌」から「三代目 鈴木紀夫」へと変更。意外性と商品の持つ物語が伝わり、売上が5倍に。
おむすび銀座「十石」:http://www.jukkoku.com/


【ヴィレッジ・ヴァンガードの店舗運営】
village.jpg
ヴィレッジ・ヴァンガードは、全国的に本屋を展開する企業だが、“EXCITING BOOK STORE”のコピー通り、各店舗の品揃えがおもしろい。行ったことのある人なら誰でも記憶に残っているはずだが、本屋であるにも関わらず店舗には、おかしな雑貨やアクセサリー、CDから自転車など、何の店か分からない程ごちゃ混ぜな品揃え。しかし、どの店舗も不思議と“らしさ”が統一されていてファンを増やし続けている。そして、その店舗運営は独自の社風(アルバイトとして経験を積んだ者のみが社員として採用される)によって培われている。
ヴィレッジ・ヴァンガード:http://www.village-v.co.jp/


【リッツ・カールトンのサービス】
ritz.jpg
世界にホテルを展開するリッツカールトン、日本では大阪・東京にあり、非常に高度なサービスで顧客の心をつかんでいる。「クレド」という独自の信条をまとめたものは有名だが、その他にも顧客の感性を把握する緻密なマネジメント体制が出来ている。顧客の情報を常に共有し、オリジナルのサービスを提供(バースデーサービスや各顧客の趣向に合わせたサービスなど)、社員がアイデアを出すシステムや顧客が喜んだ情報共有など、まさに顧客との間に感性価値を生んでいる。
リッツ・カールトン:http://www.ritz-carlton.co.jp/


その他にも、興味深い様々な感性価値創造マーケティングの手法や事例が紹介されています。
書籍情報:
「そうそう、これが欲しかった!感性価値を創るマーケティング」
著者:小阪裕司 発行:東洋経済新報社

bookkansei.jpg



感性価値の創造、
もちろんその過程は、非常に手間や時間がかかるはずです。
逆にほんの少し視点を変えて考えることで、生まれるものなのかもしれません。

ただひとつ言えることは、
改めて自分が「欲しい」「買おう」「行きたい」と思う瞬間のことを思い返してみると、
そこには必ず、他の多くのものとは違う「+α」の何かがあります。
それが「感性価値」でしょう。
それぞれのものづくり、それぞれのサービスが
使い手や顧客との間の感性価値創造を意識した時、
そのものを使う瞬間、そのサービスを利用する瞬間に“ワクワク”や“愛着”が生まれ、
延いては消費社会全体に新たな価値を芽生えさせ、好循環が生まれるのです。
posted by グローカルネット at 11:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月15日

カラー戦略

tiffany.jpg hermes1.jpg
さて、この2色を見て何が頭に浮かぶでしょうか?
おそらく、世界中の人が頷けるブランドイメージが浮かぶはずです。
(左)アメリカのジュエリーブランドTiffany & Co.のブランドカラー。このCyan(シアン)という色は、Pantone社の色見本にティファニー社の創立年に因んで1837番で登録されている。
(右)先にも述べたフランスのファッションブランドHermesのブランドカラー。フランス伝統色に
Orange Hermes(オランジュ・エルメス)として存在する。


これらは、カラーを全面的に用いたブランディングの
最も成功した事例と言えるでしょう。
カラーの特性からして、もはや余計なブランドロゴなどなくても、
人々に直感的に伝わるパワーを持っているのです。
そして、言語と違い、カラーは世界中の誰にでも認知され得るのです。

もちろん、商品展開として様々な魅力的なカラーデザインを発表することは
必要不可欠な要素ですが、同時に、
ブランドを確立する上で、ある1つの特徴的なカラーにこだわって、
ブランディング・マーケティング展開することも非常に重要なポイントです。
ただし、ある1つのカラーのみで上記2つのように成功することは、
簡単に出来ることではありません。

そんな中、
「日経デザイン」 2008年12月号にピッタリの記事が掲載されていました。
http://nd.nikkeibp.co.jp/nd/index.shtml

例えば、
softbank.jpg cupy.jpg alsok.jpg isetan.jpg
わざわざ説明する必要はないと思います。
見ただけで日本人には何かがすぐ分かるイメージです。
これらの例は、すべてブランド商標として登録されています。

つまり、「色×柄」の組み合わせで、
より人々に認知されやすいブランドイメージを発信することが可能になります。
もちろん、商品やサービスで人々の記憶に残ることが最優先かもしれませんが、
これほどまでにモノやサービスが溢れた社会において、
まず「認知される」ということは非常に大切なポイントであり、また困難でもあります。
しかし、人の記憶を考えると、単純かつインパクトのある「色×柄」は、
一度認知されると心に残り続けていくことになるのです。

また、違った事例としておもしろい展開が挙げられます。
pantone-softbank.jpg pantone-uniqlo.jpg
(左)Softbankが展開するPANTONEケータイ。
(右)UNIQLOが展開するPANTONEカシミヤ。


いずれもアメリカのパントン社の色見本を用いた、商品カラーバリエーションです。
商品展開として「多色」であることを前面に押し出している手法です。
「いろんな色を見て決めたいから、あの店に行こう。あのメーカーを見てみよう」
という風に、具体的にどの色ということではなく、
「多色展開」ということ自体が、人々の心には印象として残ります。
会社としてのカラー戦略と、商品としてのカラー戦略を、
巧みに使い分けている事例ではないでしょうか。





今回取り上げたテーマ 「カラー」。
デザインの世界において無限の可能性を秘めたツールであると、改めて感じました。
まさに「カラーの時代」。
今後も世界中で様々なカラーデザインが発表され、
そして、この時代からまた次の時代へと受け継がれる「伝統色」が
生まれてくるのかもしれません。

最後に...
世界的な経済の混乱によって暗い話題ばかりですが、
こういう時代だからこそ
カラーで人々の心に少しでも明るさが戻ることを願っています。

それでは皆様、良いお年をお迎えください。
posted by グローカルネット at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月16日

企業Webサイト

「つづきはWebで」
「くわしくはWebで」
banner.jpg
最近のテレビCMでよく耳にする言葉ですね。
これはウェブ連動型CMと呼ばれるらしいですが、
なぜこのような宣伝方法が広まってきたのでしょうか。

それは言うまでもなくインターネットの普及にあります。
時間制限のあるテレビCMでは伝えきれない部分をネットで補おうとするものです。

しかし、放送と通信の融合が進む今後は
「はじめからWebで」の時代になる可能性も示唆されています。
参考:http://www.hitachi-hri.com/opinion/02column/02word/k18.html

そういった流れの中で、世界中からいつでもアクセス出来るウェブサイトは、
新たな“顔”“玄関口”としてあらゆる企業にとって大変重要なものとなっていくでしょう。
最近ではウェブサイトを見て初めて、その企業の新たな試みや活動を知ることが
少なくありません。
広告・宣伝・プロモーションだけでなく、消費者とのコミュニケーションの場として、
また企業イメージやコンセプトを発信する大切な役割を担うのです。

今回は「企業Webサイト」に注目し、様々なウェブサイトを多角的に捉え、
興味深い傾向やその役割について考えてみました。




商品を見せる、商品で魅せる
企業倫理、歴史、社会的立場・責任を発信する

※音声の出るサイトがありますのでご注意ください。
posted by グローカルネット at 11:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

商品を見せる、商品で魅せる

現在では、ウェブサイト上で商品についての広告を見たり、
手軽にショッピングを楽しむことが当たり前になってきました。

テレビCMや店頭での宣伝・販売が、時間や物理的な問題、費用面などで
必ず制限される一方、ウェブサイトには、時間や空間に縛られない利便性があります。
もはや、ウェブサイトは補足としての役割を超えて、
消費者の心をつかむために不可欠なツールとなりつつあります。

中でも「商品を見せる、宣伝する、伝える」という点において、
ウェブサイトの持つヴァーチャルな特性や各企業のアイデアが詰まった
自由で独創的な表現方法をいくつか見てみましょう。


【商品のユニークな見せ方】
ユニクロ

mixplay.jpg dry.jpg
(左)http://www.uniqlo.jp/mixplay/
ユニクロのカラーパーカの広告ページ。15色分のダンスとそれぞれに割り振られた音でハーモニーを演出しています。
(右)http://www.uniqlo.com/motion/
ユニクロのDRYシリーズの広告ページ。コインランドリーのドラムの中で人間が回っているようなおもしろい見せ方です。


リアル・フリート
amadana.jpg
http://www.amadana.com/
オリジナルブランド「amadana(アマダナ)」のコレクションページ。多くの商品を流動的に美しく見せています。各商品ページではズームも可能。


アップル

iphone1.jpg guide.jpg list.jpg
http://www.apple.com/jp/iphone/
話題の「iPhone 3G」の商品ページ。余計なデザインを省いたシンプルで美しいレイアウト。
使用説明を「ビデオガイド」という人間が話しながら説明する形式で、各国の言語で発信。また、キャッチコピー「みんなが待っていた」「もうすぐあなたの国へ」など、しっかりと消費者の心を捉えるワード、世界共通のページ構成もさすがといった印象です。



また、商品を効果的にプロモーションする企画として、
参加型のユニークなコンテンツも見られます。
【参加型プロモーションコンテンツ】
ユニリーバ          コンバース

axe.jpg converse.jpg
(左)http://www.axeeffect.jp/index.html
ボディスプレーブランド「AXE(アックス)」のサイト内、プロモーションコンテンツとして「THE AXE EFFECTフォトコンテスト」を開催。商品イメージに合う作品を募集し、受賞者を決定しています。イメージの発信・定着を狙ったおもしろい内容です。
(右)http://thankyou.converse.co.jp/index.html
今年で100周年を迎えたコンバースが、記念キャンペーンとして参加型の「コンバース広告社」を展開。参加者が記念モデルを写真や映像、コーディネイト提案などの様々な手法で宣伝するという新しい内容で、活動に応じてプレゼントや特典もあります。



その他、ヴァーチャルという特性を活かして手軽にコーディネイトを楽しんだり、
イメージを膨らませることが出来るツールも開発されています。
【ヴァーチャルカスタマイズ、試着サービス】
ナイキ

nikeid.jpg
http://nikeid.nike.com/nikeid/index.jhtml?channel=JP_NIKEID®ion=JAPAN&country=jp&language=ja#home
開始当時話題になった「NIKE iD.」。素材やパーツごとにデザインを選択することが可能で、自分だけのオリジナル一足を創り出すことが出来ます。開始当時はパターンが180通りの組み合わせだったのが、現在では18万通りもの組み合わせが可能。男女、また用途別など、様々なモデルに対応し、常に進化しています。

このようなカスタマイズサービスの進化には、アパレルだけでなく様々な分野への可能性が窺えます。


H&M            TAAZ
H&M.jpg taaz.jpg
(左)http://www.hm.com/us/inspiration/dressingroom__dressingroom2.nhtml
以前から導入しているH&Mのヴァーチャル試着サービス。商品の中からカテゴリーごとに好きなものをピックアップして、モデルでコーディネイトを楽しめます。また、自分自身のオリジナルモデルを作成することも可能で、オンラインショッピングの可能性を広げるサービスです。このシステムはカナダのMy Virtual Model社が開発したもので、他にアディダスやリーバイス、スピード社などにも導入されているということです。
(右)http://www.taaz.com/web.html
こちらはビューティー分野のヴァーチャルサービス。なんとオンライン上で仮想メイクアップが可能。モデルを選択したり、自分の写真をアップロードすることも出来ます。パーツごとにカラーも豊富で、リアルなメイクかと思えるほどです。

このようなオンライン上でのサービスは、消費者の満足度アップや新たな顧客の獲得など、オンラインショッピングの大きな可能性を秘めているように思います。




これらのように、ウェブサイトを用いて「商品を見せる」ことに
それぞれの個性と創意工夫が溢れています。
消費者は時間に関係なく、また時間を忘れてウェブサイトを楽しむことになるでしょう。
posted by グローカルネット at 11:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

企業倫理、歴史、社会的立場・責任を発信する

ただ、ウェブサイトの役割は“商品”を発信する場だけではありません。
その自由な空間は、消費者とのコミュニケーションの場であったり、
また企業としての意思やイメージの発信地という非常に重要な役割を持ちます。
「自分たちはどうあるべきか、消費者に何を伝えたいのか」など、
企業活動全体を発信することが出来る場なのです。
そのような役割のウェブサイトをいくつか見てみましょう。


【物語を奏でる】
アディダス           オメガ          エルメス
adidas.jpg omega.jpg hermes.jpg
(左)http://www.adidas.com/campaigns/umbrella2008/?strCountry_adidascom=jp
アディダスのライン「adidas Originals」のサイト。いくつかのアディダスにまつわる物語を選択することができ、映像とストーリーで紹介しています。特にラインコンセプトである「スポーツヘリテージ」、伝統と革新、そしていつの時代も本物であるというメッセージが、創業者ADI DASSLERの物語によって発信されています。
(中)http://www.omegawatches.jp/
オメガの北京2008特設サイト。オメガの歴史を中国との関わりとうまく絡めて、巻物風の物語展開で紹介しています。長い歴史と確かなクオリティが伝わるページです。
(右)http://www.hermes.com/index_jp.html#
エルメスのオフィシャルサイト内のコンテンツ「travel the world of Hermes」。中にはエルメスの伝統やデザインなどに関する様々な物語がシンプルでかわいらしく詰まっています。



【企業倫理、社会的立場・責任を発信する】
パタゴニア
patagonia.jpg footprint.jpg
http://www.patagonia.com/web/jp/contribution/patagonia.go?assetid=23438
パタゴニアの企業サイト内「フットプリント・クロニクル」。スポーツウェアメーカーとして、また一企業として、創業時から常に明確な社会的責任と環境保護への活動を実践してきたパタゴニアの活動内容を伝えるページです。商品が完成するまでに歩んだ過程を明確に表示し、良い点、悪い点、そして自らの考えを述べて意見を仰ぐ、そうした揺るぎない企業姿勢に、愛され続ける理由がはっきりと感じられます。


新日本石油
eneos.jpg
http://www.eneos.co.jp/enegori/e71_en_top.html
新日本石油のスペシャルコンテンツ「エネゴリくんの星」。石油という天然資源に関わる社会的責任と環境保護への活動を、親しみやすいキャラクターを用いて発信しているサイト。これからの時代はエネルギー資源が人間にとって大きな課題となるため、今後もウェブ上で様々な活動を行っていくのではと思います。


NEC
NEC.jpg
https://www.ecotonoha.com/
NECが2003年に開始した参加型コンテンツ「ecotonoha(エコトノハ)」。第51回カンヌ国際広告コンクールのインターネット部門で、日本企業として始めてグランプリを受賞したサイト。環境活動と連動した内容で、訪れた参加者が枝にメッセージを書くと樹が成長していきます。そして、ヴァーチャルで育てた樹をリアルなCO2削減を目的とした植林活動に反映させるというものです。



商品を販売するだけでは伝わらない企業倫理や活動内容、
それらは現在ウェブサイトという世界に開かれた場によって独創的に発信されます。
消費者はそれにアクセスすることによって、商品はもちろん
その企業の歴史や意思に触れ、新たな一面を発見し、
そこに“心”や“つながり”が生まれるのです。


いずれ世界には企業の数だけそのウェブサイトが存在する、
そんな時代になるかもしれません。
そのウェブサイトという場が、企業と消費者の、また人と人との
“心”をつなぐ役割を果たせるなら...

世界は、
今より少し小さく感じるかもしれませんが、
今より少しワクワクするものになりそうです。
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2008年05月15日

現代の新しい“女性像”“男性像”を意識したデザイン、マーケティング、サービス

そんな中、現代的な新しい“女性像”“男性像”を発信し、
ターゲットを意識したマーケティングやサービスが見られます。

−女性像−
ファッション分野においては、特にメンズにも多大な影響を与える
ウィメンズファッションで顕著に表れています。

<2008年秋冬コレクション>
bur1.JPGbur2.JPG YSL.JPGmax1.JPGwang1.JPG
Burberry Women’s & Men’s  YSL      Max Mara   Alexander Wang

yves1.jpg yves2.jpg
YSL SS08 マニフェスト用広告

どれも現代、そしてこれからの力強い女性像がデザインに表現されています。
これまでのフェミニン・マニッシュという用語が示すイメージも
変化していくのかもしれません。

サービス業界では現代の女性に向けて、様々なレディースプランがあるようです。
keio w.jpg
京王プラザホテルには、活動的に働く女性に向けて、日曜日限定で
ひとりを楽しんでリラックスするという斬新なレディースプランがあります。
様々なサービスの他、荷物を送って月曜もそのまま出勤♪というおもしろい打ち出しをしています。
京王プラザホテル レディースプラン「LOVE ME !!」

「おひとりさま」という言葉があるように、現代の活動的で自由なスタイルの
女性をターゲットとするサービスは、今後様々な分野に拡大しそうです。
参考:http://ohitorisama.hershe.co.jp/ohitorisama/



−男性像−
逆に現代の男性は、女性の繊細さを様々な分野で取り入れ、
それに伴うニーズも拡大しています。
やはり最も顕著に表れているのが美容分野です。

shiseido.jpg clinique.jpg
     SHISEIDO MEN          CLINIQUE
オンラインメンズコスメ販売のエムコスメは、女性用さながらの品揃えです。
中には「メイクアップ」や「ネイルケア」というカテゴリーがあるのには
驚かされました。
またパッケージデザインも、繊細でニュートラルな色合いや形で表現されています。
エムコスメ

ラ・パルレTBCなど、
メンズエステ分野の話題もよく耳にするようになりました。
日本で最大級のメンズ館を持つ百貨店、伊勢丹阪急百貨店では、
積極的にメンズビューティー分野の取り組みを進めているようです。

先に紹介した京王プラザホテルでは、男性のためのプランも用意しています。
keio m.gif
童心に帰れる時間やリフレクソロジーなど、繊細で新しいサービス提案です。
京王プラザホテル メンズプラン「俺の時間」





今回は“性の交差”というテーマで、いくつかご紹介してきました。
常に移り変わる社会の中で、“性の概念”はどのような変化を見せるのでしょうか。
わたしたちの中で形成される概念は、個人の自由なニーズや社会の動きと
密接に関わっています。
そのため現代社会において、ファッション、デザイン、サービスなど、
大きなトレンドを形成する分野では、常に自由で新しい視点が求められます。
今後、男・女という区別は社会の中でどのような意味を持つでしょう?
“男らしさ”“女らしさ”という概念が、いまわたしが思っているそれと
逆の意味を持つ時代が来るかもしれませんね。
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2007年05月15日

他業種のコラボ

最近こんな記事を目にしました。

ファッション×アート コラボ活発化(5月4日)

この記事によると、
ファッション業界とアートのコラボレーションが活発化している。 背景にはアートの雰囲気を取り入れて商品販売につなげたい、との狙いがあるようだ。ワールド直営の洋朊店"トーキョー ヒップスターズ クラブ" (東京都渋谷区)で2日、デザインアーティストのアラキミドリさんの展覧会"リコレクションズ・イン・ザ・ブランケット"が始まった。 ワールドのブランドマネジャー今井孝則さんは"若い消費者は商品が発信する空気感(イメージ)でモノを選ぶ。 洋朊だけでなく頭の中身(カルチャー)も買ってもらう店"と説明する。

とあります。
記事はこちら

やはり以前取り上げた“五感ブランディング”にもつながるところがありますが、
“商品を売る”というよりも、 消費者の“五感に訴えかける”戦略
というのが重要になっている中で、
コラボレーションを活用する企業が増えているのではないでしょうか。

企業同士のコラボレーションはだいぶ前から行われていたものですが、
最近はアートとのコラボレーションも含め、
異業種とのコラボレーションを取り入れる企業も多くなっています。

最近のコラボレーション代表格といえば、やはり携帯電話ではないでしょうか。
ソフトバンクのPANTONE®コラボレーション携帯はすでに皆さんご存知かと思います。

また、auでも2001年よりau design projectを展開しており、
国内外のデザイナーとコラボレーションして
デザイン性の高い携帯電話を提供していますね。
その中のいくつかはグッドデザイン賞も受賞しています。

aukddi.png
写真はMEDIA SKIN(Prototype)
デザイナー:吉岡徳仁


これまでのau design project製品はこちら



その他、最近よく見られるのが、携帯×ファッションブランドのコラボレーションですね。
今年だけでもすでにこれだけ登場しています。

プラダ × LG電子
prada_phone.jpg
2007年2月下旬に発売された携帯電話。大きな液晶タッチスクリーンを採用しています。 残念ながら、現在のところ日本での発売は未定です。

LG電子ウェブサイト


ベネトン × ウィルコム

benetton.jpg
こちらも2007年2月下旬に発売されたもの。 人種差別や環境問題などに取り組んできたベネトンとのコラボレーションで、ウィルコムが掲げる"定額""低額""低電磁波"など"安定・安心・安全"という 3つの特性を理解してもらいたいというコンセプトがあるそうです。

ウィルコムウェブサイト


ドルチェ アンド ガッバーナ × ドコモ
DG_docomo.jpg

ドルチェアンドガッバーナ、ドコモ、モトローラの3社コラボ。 輝くゴールドがゴージャスなラグジュアリー携帯電話です。
2007年5月31日まで、ドコモのオンラインショップで販売中です。


ドコモウェブサイト

サマンサタバサ × ドコモ

samantha_docomo.jpg



サマンサらしいピンクのかわいい携帯。購入者限定特典も多数あり。ドコモ関西エリアのみで販売中です。


ウェブサイト


また、異業種とのコラボレーションというと、最近では自動車業界でよく見かけます。

TOYOTAオーリス × 鞄ブランドTUMI

toyota.jpgアメリカで設立された"高い機能性"と"モダンなデザイン"というブランドコンセプトを持つ鞄ブランドTUMIとのコラボレーションで、 機能性とモダンなデザインを兼ね備えたスタイリッシュなクルマに仕上がっています。
TOYOTAウェブサイト

日産 × タカラトミー
skyline.jpgタカラトミーに新入社員として入社したリカちゃんが、研修生として日産の特別研修プログラムに参加しながら、 企業間の交流を図っていくとのこと。去年発売された新型"スカイライン"を皮切りに、活動が続けられています。

タカラトミーのおもちゃブログ

三菱自動車 × バンダイ
mitsubishi.jpgこちらは昨年行われたものですが、ファッションドール桜奈とコラボレーションした三菱の軽自動車"i"。 斬新で個性的な"i"を桜奈の愛車としてリアルなライフスタイルを提案し、20代〜30代の桜奈を楽しむ女性にも 双方のファッショナブルな世界観を楽しんでもらうのが目的。

三菱自動車キャンペーンリポート

光岡自動車 × アパレルブランド義志
orochi.jpg光岡自動車のファッションスポーツカー"大蛇(オロチ)"が異業種をコラボレーションさせる“オロチプロジェクト”の第一弾として 発表した"義志(よしゆき)"とのコラボレーション。オロチのドライバーと調和するようなファッションアイテムを提供していきます。
販売は義志東京本店とオロチの公式ウェブサイト。

オロチウェブサイト


携帯、自動車と2つの業界を挙げてみただけで、
いくつものコラボレーション企画が展開されていました。

現在まで数多くのコラボレーションが世の中にあふれていますが、
やはり他社との差別化ということを考え、
異業種との意外性のあるコラボレーション企画が多くなっているようです。
また、製品とそれに合ったライフスタイルを消費者の方に提供する、
というコラボレーションが数多く見られました。

最近では、セレクトショップなどのファッション系店舗などはもちろん、
銀行などでもライフスタイル全体を提案するようなコンセプトショップを取り入れていたり、
アートギャラリーを併設した店舗が増えるなど、
店作りから商品提供の方法まで様々な方法が取り入れられています。

スルガ銀行ミッドタウン支店*夢研究所
りそな銀行ミッドタウン支店 Yahooニュース記事

カルランのインパルスブックでも、社会背景の解説等でこのような
新しい兆しを取り上げていますので、是非ご覧ください。
posted by グローカルネット at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月15日

感性工学とは?

1970年代に、広島国際大学の長町三生教授が考案した方法論。
長町教授は、製品に対する消費者の印象などを
数値として把握したいと考える企業が多いことに着目し、
消費者の感情や印象をパラメーターとして測定する手法を生み出しました。
この結果、顧客の感情・感性を取り入れた製品を
デザインすることができるというわけです。

英語でもKansei Engineeringと言われている感性工学。
初めてこのKansei Engineeringという言葉を使用したのは、
アメリカのマツダ・モーター社でした。

最初はsensory(知覚)またはsensitivity(感度)engineeringから始まり、
現在では人文学、社会科学および自然科学まで、幅広い分野を取り入れています。

この長町教授の著書「感性商品学」の中で、
“造れば売れた時代は遠く去り、機能や性能だけで
商品を売り込めた時代も過ぎて、今は消費者の感性に即した商品しか
生き残れない時代へと変わってきた
・・・(中略)・・・
商品の値段を下げれば売れるのではなく、
消費者の感性に答えていることが求められているのである。
消費者の感性を的確にとらえ、
それを商品のデザインに具体化できるかどうかが、
売れるか売れないかのベクトルに作用する時代なのである。”

と述べています。

詳しくはこちら

この感性工学は、以前このお知らせページでもご紹介した
人間工学(エルゴノミクス)とも結びついており、
すべては人々の“感性を満足させる”ということに基づいているのです。

さて、この他にも感性・感覚を重視したマーケティングはいろいろとあるようで、
マーチン・リンストローム氏が提唱している
「五感ブランディング」というものもあります。
posted by グローカルネット at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

五感ブランディングとは?

これまでの主に視覚と聴覚によるものだけではなく、
触覚、味覚、嗅覚までを含めた五感全ての感覚に訴えるというアプローチで、
新しいブランディング視点として欧米で注目されている手法です。
ブランドが多くの感覚に訴えるほどメッセージはより強く認知され、
ブランドの価値は高まると、マーチン氏は実証しています。
(マーチン氏とアドバイザリー契約を締結している博報堂のレポートより抜粋)

さらに、昨年1月に博報堂が実施した五感ブランディング調査では、
以下の事実が明らかになっています。

* 商品、サービスを利用する際に「五感の重要性」を感じている人は67%
* 商品選択において、「見た目以外」を重視する人は4割。
* 女性は「見た目以外」を重視する割合が高い。

詳しい調査結果はこちら

半数以上の人が五感を重要視しており、
その中でも女性は「見た目以外」を重視する傾向にあるということで、
やはりこの感性を取り入れた戦略が、かなり重要になっていることがうかがえます。

このように、様々なところで話題になっている感性ですが、
“感性”という言葉は実はカルランが数シーズン前から
非常に重要視していたものなのです!

instinct.jpg

AW/07-08シーズンのライフスタイルトレンドブック・インパルスでは、
インスティンクト(本能・衝動・直感)というテーマを打ち出しています。

この飽和した市場で、消費者に耳を傾けてもらう存在になるためには、
強い印象を残すための、感覚に重点をおいた戦略が必要だと提案しています。

また、感性マーケティングを行うためには、市場の流れや消費者の動向を分析したメガトレンドを把握することが重要だと言われています。

さらに、4月に行われるカルラン・トレンドセミナーの婦人パートでは、
今回特別講義として、この“感性”というテーマを取り上げた
“Multisensoriality:多感覚性”について プレゼンテーションいたします。

数シーズンに渡って、この“感性”に注目してきたカルランが、
独自の調査と分析を生かして、皆様に話題のトピックをご紹介いたします。
是非お見逃しなく!!

2007年4月カルランセミナー
posted by グローカルネット at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月18日

コラボレーションとPOP-UP RETAIL

コラボレーション流行の裏にあった市場の傾向

“コラボレーション”この言葉が急速に流行してから、
各業界で多くの“コラボ商品”がヒットを飛ばしました。
今となっては誰でも知っている、聞きなれた言葉となりましたが、
この流行が作られたきっかけを知る人は少ないように思います。
ですから、今回、この“コラボレーション”流行の裏にあった
本当の理由をご紹介したいと思います。

@経済のグローバル化に伴い、全ての面でスピードが要求されるようになったこと。

A商品寿命が以前とは比較にならないほどに短くなったこと。

B成熟化社会の中で、これまで以上に新サービス、
新商品、新事業が要求されるようになってきたこと。

C企業系列が崩壊し、グループに頼った待ちの経営が許されなくなり、
自らが積極的に開拓を迫られていること。

研究開発期間の短縮化、研究開発費の抑制、研究開発リスクの減少・・・
これら企業内で起こった問題を打破するべく作られた対応策が
“コラボレーション”でした。

しかしながら、現在ではコラボレーションのキャッチコピーも
消費者にはそれほど魅力的な響きではなくなったようです。

そんな中、私達が新しく注目し、皆様にご紹介するのが、
“POP-UP RETAIL”です。

多くの企業、ブランドでこの手法が使われ
今やこの言葉も世界中に広がりつつあります。

今回は、この実例をいくつかご紹介することで、
POP-UP RETAILを 皆様にご紹介したいと思います。

コラボレーションに続くキーワード!? : “POP-UP RETAIL”


商品のトレンドが次々と移り変わる現在、
お店自体もそれと同じように変化させられないのか!

POP-UP RETAILそれはそんな考えから生まれました。
短期間を前提にしたブティックやレストランなどの企画を打ち、
まずは話題性を味方につけます。

そして、“今行っておかなければいけない場所”と言う
“流行の認識”を消費者に持たせ、
そこに対する注目度を上げるという戦略です。

この手法は、皆さんもご存知のアメリカ:ターゲットが
積極的に打ち出し注目を集めています。


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2003年10月ロックフェラーセンターに
期間限定でオープンしたIsaac Mizrahi’s ストアを足がかりに、
2004年5月28日から7月4日までの
5週間限定サマーストアも盛況のうちに幕を閉じています。

また、昨年の8月9日からスタートしたオンラインスア:
Target Red Hot Shopでは、業界でも注目されているサイトの一つです。

今、最もホットな商品を週単位で入れ代えて掲載することにより、
それぞれの週に限定商品を提供して行く―つまり、
オンライン上にPOP-UP RETAILを展開しているのです。

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ターゲットのWEBはこちらから→ http://www.target.com/

COMME DES GARÇONS:

日本ブランドで言えば、コムデギャルソンが
“POP-UP RETAIL”をうまく取り入れています。

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コムデギャルソンが初めてGuerrilla storeをオープンさせたのはベルリンですが、
今度はまた“新しい12ヶ月限定”の POP-UP STOREを
バルセロナ、シンガポールで展開しています。

さらに今年中にはニューヨーク、ストックホルム、ワルシャワ、
リュブリャ−ナ(スロベニア)、ビリニュス(リトアニア)など
7都市での追加ストアを予定しているようです。

COMME DES GARÇONS&COLETTE コラボレーション:

もう一つのゲリラ企画は、コレットとのコラボレーションでした。

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皆さんご存知のこのストアは、
昨年7月31日から同年12月29日までの181日間無休で展開されました。
場所はコムデギャルソン初の路面店が出来た場所、青山。
期間限定で開催されたこのお店は世界的にも注目を集たPOP-UP STOREでした。
サイトはまだ有効のようです。こちらから→ http://www.colettemeetscommedesgarcons.com

今回ご紹介したもの以外にも、“POP-UP RETAIL”をうまく活用したものは多く、
これから注目されるマーケティング手法の1つになっていくでしょう。

今回詳しい内容をご紹介できなかったもので“POP-UP RETAIL”を展開しているところは・・・
VACANT MOBILE、JCPENNEY、NIKE、HAVAIANAS(ブラジルのサンダルブランド)
SUAVE(シャンプーブランド)、LEVI'S などが挙げられます。

皆さんのブランドでも“POP-UP RETAIL”をトライされてはいかがでしょうか?
posted by グローカルネット at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする